「将来なりたい職業ランキング」などで上位に食い込むことも多い公務員。特に不況時などは大卒・高卒に関わらず人気の就職先となるが、売り手市場の近年も手堅い人気ぶりを誇っている。
当記事で取り上げるのは、航空自衛官たちの口コミだ。航空自衛隊は平時から有事まで日本の空の平和と安全を担う唯一の組織。陸・海・空のうちではもっとも新しい部門で、昨年度からはF-4戦闘機の後継として導入を決定した最新鋭の戦闘機「F-35A」を配備。アクロバット飛行を専門の任務とした飛行隊「ブルーインパルス」も所属する。【※参照元 キャリコネ 航空自衛隊】
「夜勤はきついだけ。日勤のみの職種が一番良いです」
陸上自衛隊などと同様、報酬に関しては特別職国家公務員のため安定している反面、「自衛隊は階級社会ですが、給料は年功序列です。防衛大卒で階級が上でも若ければ給料は安い」(20代前半 男性 年収450万円)など、責任と給与の多寡が見合わないことに不満を感じている人は、航空自衛官にも少なくないことが伺える。
「初年度配属で地域手当があるところであれば手取りで15万円程度となる。ボーナスの査定方法は不明瞭であり、所謂有能な働き者の立場にある人でも評価されてるとは言い難い結果であることは多い。残業代及び休出代はもちろん支給されるわけでもないため、悪い意味で安定した給料を頂けるのは間違いない」(20代前半 男性 年収250万円)
「夜勤はきついだけでほとんど手当てらしいものもつかないので、やるだけ損です。日勤のみの職種が一番良いです。ただし、僻地勤務であればそもそも使い道が無い場合がほとんどなので、金は貯まります。貯金目的なら数年我慢するのはいいかもしれません」(20代後半 男性 年収320万円)
航空自衛隊では女性操縦者の養成からすでに20年以上が経過し、国内外で各種任務に従事する女性飛行隊長や、仕事と育児を両立する女性操縦者も誕生している。公式HPでは男女共同参画やワークライフバランス推進に注力していることがアピールされている。実際に口コミでも全体的に女性でも働きやすい職場という評価は比較的多買った。
「女性でも幹部になっている人はいる。体力があり、頭が良ければ活躍できる。たくましい女性が沢山いる。育児休暇もきちんともらえるし、周りも協力してくれる。管理職になれるかどうかは、男女関係なく、いくつかある入隊区分でほぼ決まってしまうので、最初が肝心。防大が一番強い」(20代前半 女性 年収310万円)
「国を挙げて女性が働きやすい職場づくりをしているので、ここ数年で一気に女性が働きやすい職場へと変わったようです。私がいた時は過渡期で、女子トイレがなかったり、更衣室が倉庫を改造したものだったりと過ごしづらさもありましたが、いまではだいぶ変わったようなので働きやすいと思います。近年では女性の幹部自衛官も多く見かけます」(20代前半 女性 250万円)
加えて、航空自衛隊の操縦士だったという男性は、「自衛隊という組織でしか経験できない仕事がある。使用する航空機も国レベルでしか運用できない程の高級なものであり、訓練も充実している。いち民間航空会社や他の官公庁では不可能なミッションができることがやりがいと言えます」(20代前半 男性 520万円)と書き込んでおり、その専門性の高さは隊員のやりがいとなっているようだ。
残業や休日出勤も多く、午前3時から24時までの勤務も
WLB推進についても、「私が居たところはシフト制で人数もそれなりに居たので休暇は取りやすかった。年末年始や夏季休暇は有給を使うが有給日数が多いのでそこまで気にならない」(その他 20代前半 男性 300万円)など、年末年始や夏季休暇、有給日数が多さは一定の評価を受けている。
一方で、夜勤や休日出勤の多さを訴える口コミも目立っていた。空自は他の自衛隊と比べても365日昼夜を問わない対応を必要とする任務が多いのかもしれない。
「警戒管制員という職種についていました。勤務の形態上どうしても夜勤がありますが、夜勤手当とかは殆どなにも付きません。加えて、この職種は一般企業にでても何の役にも立たない。定年まで自衛隊にいるつもりでもお勧めできません。定年までいるつもりなら日勤の事務職等をお勧めします」(20代後半 男性 320万円)
「航空機整備職になれば、残業や休日出勤は不定期に発生する。特に列線(※稼動状態の多数の軍用機を格納庫前の広場などに整列させた状態)は朝三時から業務を始め、夜の0時近くまで働くことが多かった。航空機を運用するためとはいえ、あまりにも長すぎる労働時間であったと思う。重整備を担当する隊になれば幾分残業についてはマシになるものの、それでも日付を跨ぐことはあり、劣悪な環境であることは間違いない」(20代前半 男性 250万円)
「一応公務員なので、年に20日の有給休暇がありますが、勤務日割りの関係で年休がとれず毎年何日も余してしまいます。ただ、年末年始やGW、夏季休暇の年3回は10日以上の2週間くらいの休暇がもらえますので、特権といえるでしょう」(30代後半 男性 500万円)
また、自衛官の退職年齢は幹部・准尉・曹で大部分が54歳~56歳、士で大部分が20歳代と、定年が早めに設定されているが、「定年後の再就職支援は、殆ど期待できない」「空自での経験は民間であまり役に立たない」といった内容の口コミも散見された。
専門性が高く、配属などによって待遇差も大きいだけに、長く働き続けるには自衛隊独自の職務にやりがいを見出せるかが重要なようだ。【※参照元 キャリコネ 航空自衛隊】