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志尊淳&清野菜名から目が離せない 『半分、青い。』アシスタント役で物語を牽引

2018年05月14日 06:01  リアルサウンド

リアルサウンド

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 連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK総合)は、失敗を恐れない明るく前向きな主人公・鈴愛(永野芽郁)が、高度経済成長期から現代を駆け抜け、やがて一大発明するまでを描く。岐阜県と東京を舞台に描かれるこのドラマは、5月13日から放送の第7週「謝りたい!」から東京編へ入る。漫画家を志し東京へやってきた鈴愛と、彼女を採用した漫画家・秋風(豊川悦司)との間に一悶着ありそうだが、今回注目するのは、彼女の同僚となるユーコ(清野菜名)とボクテ(志尊淳)である。


 ユーコは鈴愛と対照的なキャラクターだ。ユーコは、秋風のもとで若手アシスタントの1人として働きながら、漫画家を志している。初登場時からむっすりした表情を浮かべ、ぶっきらぼうに話す彼女は、純朴で明るく、ときに脳天気にも映る鈴愛とは真逆である。そんな彼女は、今後の東京編で鈴愛と強い絆で結ばれるキャラクターだという。口角をあげることなく言葉少ない彼女が、鈴愛とどう関わっていくかが非常に楽しみだ。


 ユーコ演じる清野は、ティーン雑誌モデルとして活躍後、女優デビューを果たした。主な出演作品に『TOKYO TRIBE』『ユリゴコロ』などがあげられる。凛とした雰囲気が感じられ、さわやかな笑顔が印象的な女優だ。一方、ユーコを演じる彼女からは少々陰鬱な空気も漂っており、今まで清野が演じてきたキャラクターとは全く違う雰囲気が感じられる。さわやかな笑顔を一切見せず、鈴愛に対してぼそりと言葉を交わす彼女は、今後の展開に大きく関わってくるのでは?という期待を抱かせる。清野から感じる清涼感を封じるキャラクターには驚くが、物語のキーパーソンとして光る演技を見せてくれることだろう。


 もう1人の若手アシスタント・ボクテは、ユーコとは全く違ったキャラクターで、明るく親しみを感じさせる。ゲイの美青年であるボクテは、上京したての鈴愛に親しく声をかけてくれる人物の1人である。若手アシスタントが暮らす寮で鈴愛に声をかけた彼は、鈴愛にとって優しい先輩とでも言ったところだろうか。劇中、鈴愛が片耳難聴のことを秋風に伝えたとき、秋風は「それがどうした」と言わんばかりの反応をみせた。鈴愛が想定外の出来事に呆気にとられていると、ボクテは彼女の手を引き、秋風の言葉と真意について伝える。そのボクテの表情は、東京に来たばかりで戸惑う鈴愛に対して、当たり前のように優しく接する“お兄ちゃん”のようである。


 ボクテを演じる志尊淳は、映画『帝一の國』やドラマ『君はペット』(フジテレビ系)、『トドメの接吻』(日本テレビ系)などに出演する注目の若手俳優である。『女子的生活』(NHK総合)では、トランスジェンダーの主人公・小川みき役を好演したことも記憶に新しい。ボクテは、彼の優しげで端正な顔立ちに合った役柄と言える。ゲイを公表したキャラクターは、連続テレビ小説史上初めてとなるが、志尊はボクテの個性として自然に演じている。『女子的生活』において、性的マイノリティである主人公の生き様を誠実に体現した志尊だからこそと言えるだろう。今後、ボクテはユーコとともに鈴愛の人生に大きく関わってくいく。秋風に自身の漫画のアドバイスを受けている様子からは、野心も感じられる。同僚として、漫画家を志すライバルとして、ボクテが劇中どのように動いていくのか楽しみである。


 秋風のもとで経験を積む主人公・鈴愛にも目が離せない。同僚でありライバルであるユーコとボクテにどう関わっていくのだろうか。第6週のユーコとボクテの登場シーンは少なかったが、視聴者の目に印象的に映ったことだろう。鈴愛が東京で出会う、物語において重要な人生になることが期待できる。今後の清野と志尊がみせる演技に、目が離せない。(片山香帆)