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ニュル24H:スバルWRX STIがクラス優勝飾る「本当によかったです」

2018年05月14日 04:21  AUTOSPORT web

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ノルドシュライフェを走るスバルWRX STI
第46回ADACチューリッヒ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間レース)は5月13日、決勝レースのゴールを迎えたが、SP3Tクラスに参戦したスバル/STIのカルロ・バンダム/ティム・シュリック/山内英輝/井口卓人組90号車スバルWRX STIは、総合62位/SP3Tクラス優勝という結果を残した。

 2008年からWRX STIで、ニュルブルクリンクを舞台に飽くなき挑戦を続けるスバル/STI。今季はスーパーGTでもスバルを駆り、ニュルの経験も豊富な井口卓人が加わり、パフォーマンスを上げたWRX STIでニュルに挑んだ。

 ただ、予選からWRX STIにはステアリングまわりのトラブルが相次ぐ。走行初日、2日目と別々のトラブルが出たが、メカニックたちの奮闘もあり修復。12日の決勝レースに挑んだが、レース序盤、ふたたびトラブルが出てしまう。原因は、パワステのオイルライン。SP3Tクラス首位から、早くも3周もの差をつけられてしまった。

 さらに、その後コースで計測されている排気音量の規制に引っかかっているとして、マフラー交換のためにピットイン。ただ作業も短時間で、その後はトラブルもなくWRX STIは快調に周回を重ねていく。

 みるみるうちに順位を回復したWRX STIは、レースが半分過ぎようかというところで首位を奪回。さらに、夜には雨が降りはじめた。雨といえばスバル自慢のAWDが本領を発揮する。ただドライブしていた井口、山内英輝に聞くと「雨はけっこうキツかったです(山内)」、「みんなそうだったと思いますけど、気温も低かったですし、タイヤもなかなか発動しなかったです(井口)」と決してイージーではなかったようだ。

 迎えた終盤には、霧による赤旗中断もあったが、その後も順調に走行していたWRX STI。しかし、残り1時間になろうかというところで、なんとグランプリコースのショートカットでストップしてしまった。原因はエンジントラブルだが、辰巳英治総監督によれば「まだはっきりしませんが、電気系みたいですね。雨がずっと降っていましたが、それから来ているのではないかと今は想像しています」という。

 とはいえ、なんとかピットに戻されたマシンは無事に修復されチェッカー! クラス順位も落とすことなく、見事目標でもあったクラス優勝を飾った。レース後、山内は「良かったです。いろいろありすぎて、喜んで良いのか良くなかったのか分かりませんでしたが、レース後のピットの雰囲気見て、喜んで良いのかなと思いました(笑)」と笑顔をみせた。

「最初の1時間と最後の1時間でいろいろありすぎて。途中は順調だったんですけどね」

 また、井口も「チェッカーを受けないとクラス優勝もなかったので、チームの『絶対にクルマをコースに戻す!』という思いがクラス優勝に繋がったと思います」とスバルでの初のニュル挑戦の結果に、ホッとした表情をみせている。

 こうして結果を残すことができたスバル/STIだが、予選日、そして決勝と細かなトラブルが起きたのも事実だ。辰巳総監督は「今年は『アマチュアだな』と思いましたね」と自戒をこめてレースを総括してくれた。

「僕たちは素人かもしれないけど、信念を通せばプロにも勝てると思うんです。でも、やっぱり落とし穴がすごくいろいろなところにあって、それを見抜けなかった。普通に走っているときは本当に速かったんですけど、世の中そんなに甘くない……ということをこの歳になって思い知らされましたね」

 とは言え、結果を残すことがレースでは最も重要なこと。スバルWRX STIの挑戦は、特に昨年悔しい思いをしているだけに、今季は“成功”と言ってもいいのではないだろうか。