トップへ

「タフで、フェアなバトルだった」とマコウィッキ。ポルシェ博士に捧げる勝利に

2018年05月14日 03:31  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

マンタイ・レーシングの912号車ポルシェ911 GT3 R(リヒャルド・リエツ/パトリック・ピレ/フレデリック・マコウィッキ/ニック・タンディ)
第46回ADACチューリッヒ24時間レース(ニュルブルクリンク24時間レース)は5月13日、決勝レースの赤旗中断が現地時間14時に解除され、再開後逆転しトップに立ったマンタイ・レーシングの912号車ポルシェ911 GT3 R(リヒャルド・リエツ/パトリック・ピレ/フレデリック・マコウィッキ/ニック・タンディ)が優勝を飾った。レース後、ポルシェ陣営から喜びのコメントが出されている。

 深夜2時頃から雨が降りはじめ、ウエットコンディションに転じた2018年のニュルブルクリンク24時間。トップを走っていた僚友の911号車のクラッシュ後、首位に浮上したのは序盤パンクチャーに見舞われた912号車だった。

 レースは途中から雨となり、さらに朝から霧が深まりはじめる。そんななか、トップ争いは912号車と、メルセデスAMGチーム・ブラックファルコンの4号車メルセデスAMG GT3との争いになる。912号車は雨のなかで接触、それにともなうペナルティも課せられたが、11時59分のレース中断、そして14時のレース再開の時点で、2台は同一周回。残り1時間30分で2台によるマッチレースが始まった。

 912号車は、日本でもスーパーGTで活躍したマコウィッキがステアリングを握る。対するのは、4号車メルセデスのアダム・クリストドロウだ。2台は競り合いながら、129周目の1コーナーでアウトからマコウィッキがオーバーテイク。接触しクリストドロウはハーフスピンを喫し、これで勝負あり。マコウィッキは追撃を振り切り嬉しい勝利を飾った。

「リードを奪うために、タフだったけど、完全にフェアな戦いをすることができたよ」とレース後マコウィッキは語った。

「この勝利は本当に嬉しいよ。スタートからパンクチャーがあって、それは良くなかったけど、僕たちは毎ラップ向上することができた。クルマはドライにもウエットにも合っていたし、最後までハードにプッシュすることができたんだ」

 また、ポルシェ・モータースポーツの副代表で、GTカー担当のステファン・バリザー博士は「雨、赤旗、最後のスプリント勝負と、信じられないほどの世紀のレースだったと言える」とコメントしている。

「他の耐久レースで、残りの1時間半ふたりのドライバーが戦うレースなんてないだろう。フレッド(マコウィッキ)はセンセーショナルな追い抜きで勝利を手にした。遅ればせながら、ウォルフガング・ポルシェ博士の75歳の誕生日を祝うことができたと思う」