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アクシデントやチームのミスで順位を落とすも追い上げた琢磨「今日はなんて言っていいかわからない」

2018年05月13日 13:11  AUTOSPORT web

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スペシャルカラーのヘルメットでインディカーGPに挑んだ佐藤琢磨
“Month of May”。5月になるとインディアナポリスはインディ500の話で持ちきりになるが、今週はその前哨戦とも言える第5戦のインディカーGPが行われた。

 佐藤琢磨はそのプロモーションでシカゴ・カブスのスタジアムで始球式をするなど、昨年のインディ500チャンピオンは忙しいスケジュールだ。

 2デイで行われるインディカーGPは、かなりタイトなスケジュール。2度のプラクティスを終えるとすぐに予選を迎える。事前テストがあったためか、プラクティス1回目から各チームとも僅差となり、予選でもハイレベルな戦いが予想された。

 琢磨もFP1は5番手だったが、FP2は17番手と入れ替わりが激しい。

「マシンの方向性を変えてみて、グラハムともシェアしながらやってるんですが、なかなか良いところが見つからないですね」と、レイホールの2台はやや苦戦気味。

 いざ予選になると琢磨は久々にQ1を通過したが、ファストシックスには進めず予選11番手にとどまった。

「レッドのタイヤになってから、もうひとつでしたね。多少ミスをしたところもあったけど、ちょっとスピードが足りない。これから決勝に向けて、マシンをどう仕上げていくかですね。ここは直線のスピードが大事なのでなるべくダウンフォースも減らしたいから、マシンのメカニカルグリップも大事ですし、悩みどころです」

 上位のマシンとは0.5から0.8秒程度の差であるが、その差は思った以上に大きいようだ。予選のベストタイムは24台全車が1秒以内に収まる僅差だった。

 レースのスタートでは、久々に琢磨のロケットスタートが決まり、ターン1に届く頃には6番手あたりまで浮上していたが、その先のシケインに差し掛かるところで、ミスコースしたスペンサー・ピゴット(エド・カーペンター・レーシング)が縁石に乗って飛び、琢磨のマシンに体当たり!

 かろうじて大アクシデントにはならなかったものの、琢磨はそれを避けたために大きく順位を落とし、ほぼ最後尾となった。



 それでも諦めずに一台一台前のマシンをパスし続けたが、ピットでブラックタイヤに交換した後に、突如琢磨のペースが落ちた。

「もう全然おかしくて、ピットにプレッシャー確認して!とかいろいろ言ったんだけど、チームは問題なしって言うから、そのまま走り続けたんだけど、マシンが遅すぎた」と琢磨は言う。

 後に調べたら、なんと後輪の左右が逆に付けられていたと判明した。チームの致命的なエラーだった。この時点で20番手以降に再度落ちてしまった。

 もがきながらもブラックタイヤを履き終え、レッドタイヤに戻すと琢磨のペースは戻った。そして残り30周を切り、ニューガーデンのスピンで出たイエローコーションが明けてからは、琢磨は見違えるような速さを見せた。

 残りの周回数とプッシュ・トゥ・パスの残りを考えると、燃費とのにらめっこではあったが、琢磨は次々と前のマシンをパス! 19番手から、なんと10位までポジションを上げて、85周目のチェッカーを受けた。今季2度目のトップ10フィニッシュだ。

「今日はなんて言っていいかわからないですね。いいんだか悪いんだか(苦笑)。ブラックタイヤの時は絶対おかしいと思ったんですよ。でもチームはタイヤのプレッシャーも大丈夫だった言うし、我慢して走ってたけど左右逆に着いてたって(苦笑)」

「それとピゴットも、もうちょっと考えて欲しいですよね。あれじゃ自分のためにもならない。でも最後のスティントはポジションも上げることが出来て良かった。来週からインディ500のプラクティスも始まりますからね。切り替えてターン1の方へ向かって走って行きたいと思います(笑)」