予選前のフリー走行で大クラッシュに見舞われ、マシンが大破したブレンドン・ハートレー。幸い、ドライバーに大きな怪我はなかったが、大破したマシンは予選までに修復が困難との判断から、トロロッソ・ホンダはチームメイトのピエール・ガスリーの1台だけで、スペインGPの公式予選に臨むこととなった。
金曜日の夜に、走行データを精査してセッティングを変更したガスリーは、フリー走行3回目でトップ10入り。マシンに好感触持って予選に挑んだ。
Q1を11番手で通過して迎えたQ2。1回目のアタックをユーズドタイヤで済ませていたガスリーは、いったんピットイン。タイヤを履き替えて最後のアタックに出る準備を行っていた。
このとき、トップ3チームだけでなく、トロロッソ・ホンダとポジションを争っている中団グループの多くのドライバーが、今回スペインGPに投入されているタイヤの中で最も軟らかいスーパーソフトタイヤではなく、ソフトタイヤを装着していた。
それを見ていたトロロッソ・ホンダ陣営にもソフトタイヤを履くという選択肢もあったが、ユーズドのスーパーソフトでバランスを確認したガスリーの心は決まっていた。
「トップ10とのギャップを考えると、スーパーソフトのニューが最適だと考えた」(ガスリー)
ところが、セクター2に入ったところで、「マシンがアンダーステアになった」というガスリーは、トップ10までコンマ3秒届かず、Q3進出は逃した。
それでも、本来のパフォーマンスを取り戻したガスリーには予選後、笑顔が戻っていた。
「今週末はここまでとてもスムーズ。Q3には進出できなかったけど、それほど離れていない。このポジション、今日のマシンなら、ポイントを賭けた戦いが十分に期待できる」
なお、予選に参加できなかったハートレーのマシンは「パワーユニットをすべて交換し、レースで出場できる準備は整っている」(田辺豊治F1テクニカルディレクター)という。FIAからもフリー走行で予選を通過できるタイムを刻んでいるという理由で決勝レースへの参加も認められている。