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躍動するホンダの若手。阪口晴南がスーパーフォーミュラデビュー戦の予選で見せたポテンシャル

2018年05月13日 10:11  AUTOSPORT web

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第2戦オートポリスでスポット参戦でスーパーフォーミュラデビューを果たした阪口晴南(TEAM MUGEN)
全日本F3を主戦場としている18歳が、世界最速ワンメイクフォーミュラとも評されるスーパーフォーミュラにスポット参戦。なかなか準備万端とはいかない状況下、オートポリス戦の予選に臨んだ阪口晴南(TEAM MUGEN)はQ2進出を果たし、中団11番グリッドを獲得した。

 ミディアムタイヤのみ使用できる予選Q1は20分間あるため、各車2回のランが基本線。ファーストランはユーズドあるいはニューでの感触確認および“1回目”のタイム出し、そしてセカンドランが全車ニュータイヤでの本命勝負、というような流れになる。

 つまりファーストランの順位に決定的な意味はないが、Q1のセッション半ば、ちょっとした衝撃がオートポリスに走ったのも事実だった。

 スポット参戦の新人18歳・阪口がトップタイムでファーストランを終えたのである。しかも2番手には本人が「今、最も身近にいて、もっとも目標にしている選手です」と語る“ホンダのエース”、前戦優勝者にして今回の金曜専有走行でもトップタイムだった僚友・山本尚貴がつけていたことが、あくまで途中経過の順位とはいえ、タイミングモニター上の見栄えも良くしていた。

 阪口は最終的に7番手でQ1を見事に突破する(山本は2番手で突破)。続くQ2では並み居る強豪のなかでQ3進出の金星は挙げられなかったが、予選11番手は健闘したといっていい部類の結果だろう。

「そう思ってもらえたらうれしいですけど、満足はしていません」と、予選後の阪口。「Q1のミディアム(のニュー)にはすごくフィーリングも合っていましたし、実際、いいところにいけました。ただ、ソフトのニューはQ2がまったくの初めてだったので、クルマは良かったと思うんですけど、僕の(ドライビングの)アジャストとか、ウォームアップの仕方、他車との位置取りなどが難しかったですね。不完全燃焼です」。

 ミディアムのニューに関しては3月末の富士テスト参加時に「なんとなく」つかめていたが、ソフトのニューはその時に試せなかったという。走行機会もタイヤのセット数も限られるなか、やむを得ない部分とはいえ、スポット参戦の新人には厳しい状況をやはり阪口は抱えていたのである。


 それでもチーム無限という強いチームで参戦しているだけに、阪口は「チームとマシンのポテンシャルが高いので、Q2は突破したい、Q3進出が具体的な目標でした」と振り返る。そして「Q3に進んでいれば、もう1回ソフトのニューを履くことも経験できましたからね。それを考えても悔しかったです」とも。

 意識を高くもって臨んでいる阪口。雨が予想される決勝に向けても、「ポイントは獲りたいと思っています。チーム(のタイトル争い)に貢献したいですから」と目標を語る。ポイントまでは3ポジションアップ必要、簡単ではないが決して不可能でもない、質実剛健ないい目標といえそうだ(天候にも依るが)。

 普段F3のTODA RACINGで阪口のチーム監督を務めている加藤寛規選手も帯同し、チーム無限のスタッフたちとともに阪口をサポートしている。師の応援も受けながら、昨季はピエール・ガスリーが、今季開幕戦では福住仁嶺が、それぞれ印象的な活躍を演じた“レッドブル無限号”で、阪口も将来への大きな糧を得つつあるようだ。決勝での走りにも注目したい。