5月第2週に中国・上海で開幕したCTCC中国ツーリングカー選手権。その最上位カテゴリーに今季も全8戦中4戦のワイルドカード枠参戦を予定している元WTCC世界ツーリングカー選手権王者のロブ・ハフが、この開幕戦の2レースを制覇。レース2では12番グリッドから貫禄の大逆転勝利を飾ってみせた。
現在38歳のハフは、ここ数年の活動に引き続き今季もこの中国のトップ・ツーリングカー選手権にエントリー。CTCCの最上位カテゴリーであるスーパーカップ・クラスで、SAIC VW333レーシングの『フォルクスワーゲン・ラマンドGTS』をドライブする。
全8戦の2018年CTCCカレンダーのうち、ハフはこの開幕戦上海と、9月にWTCR世界ツーリングカー・カップ併催を予定する寧波ラウンド、そして10月に中国湖北省東部の武漢市ストリート戦を経て、WTCR最終戦マカオの翌週となるCTCCシーズン・フィナーレの上海に出場するプログラムとなっている。
「今季もこのマシンでCTCCに参戦することができてうれしい。僕らは昨年素晴らしい走りを見せ、マニュファクチャラーズタイトル獲得を実現したんだからね」とレース前に意気込みを語ったWTCRレギュラーのハフ。
「マシン開発は順調に推移していて、昨季終盤はほとんど誰もこのラマンドGTSを打ち負かすことはできないほどの完成度に達した。今季はそのレベルをさらに引き上げる手助けがしたいと思っている」
「僕はこのシーズンに半分しか参加できないので、VW333レーシングとその技術パートナーであるチームワーク・モータースポーツの開発を手助けし、同時にチームの新人ドライバーをコーチングする役割も担っている」
「全体の目標は最終戦の上海でドライバー、チームの両タイトルを勝ち獲ることだけど、近年のCTCCシリーズのレベルアップは目覚ましいものがある。ここでの経験が、僕のWTCRプログラムに好影響を与えることは間違いないね」
そう語ったハフは、早速レース1の予選でポールポジションを確保すると、豪雨の中で好スタートを決め、アレックス・フォンタナの『ドンファン・キアK3 2.0T』を従えホールショット。しかしこのターン1で数多くのマシンがコースアウト、クラッシュを喫したこともあり、レースはそのまま赤旗降雨サスペンデットに。
その中にはハフのチームメイトであるロドルフォ・アビラのSAICフォルクスワーゲン・ラマンドGTSも含まれており、総勢5台のマシンがリタイヤとなるなか、長きにわたる中断を経て再開されたレースは3周のみのスプリントに。
ハフはそのままフォンタナのキアを従えてトップチェッカー。3位表彰台にはフォード・フォーカスをドライブするマーティン・カオが入った。
トップ12がリバースグリッドとなる日曜午後のレース2は、勝者ハフが12番グリッドからのスタートとなり、全12ラップの決勝がスタート。
リバースポールからスタートしたのは、波乱のレース1でDNFとなっていたドンファン・キアのジェイソン・チャン(キアK3 2.0T)となり、北京セノヴァの『BAIC・セノヴァD50』をドライブするファン-カルロス・チューが2番手で追走する展開に。
しかし、そのオープニングラップでSAICのアビラとチェン・チャン・ダンを含めた中団グループでクラッシュが発生し、早々にセーフティカーが出動。
4周目にリスタートが切られたところですでにハフは6番手までポジションを上げており、その2周後には早くも先頭2台の背後に到達。スタートから7周を終えたところで早くもトップに躍り出る、ワールドクラス・ツーリングカードライバーの底力を見せつけるレース展開となった。
そのまま好天のレースは12周のチェッカーを迎え、ハフが開幕2連勝。2位にそのハフを追いかけポジションを上げてきたフォードのカオ、3位にキアのチャンが入った。
続くCTCC中国ツーリングカー選手権の第2戦は、5月18~20日の週末に中国では比較的長い歴史を持つストップ・アンド・ゴー・サーキットの珠海(ズーハイ)国際サーキットで開催される。