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柳楽優弥主演 是枝裕和の愛弟子・広瀬奈々子監督のデビュー作『夜明け』

2018年05月11日 12:51  CINRA.NET

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『夜明け』 ©2019「夜明け」製作委員会
映画『夜明け』が2019年に東京・新宿ピカデリーほか全国で公開される。

同作は、本名を明かせない秘密を抱えて逃れてきた青年・シンイチと、彼を偶然助けることになった初老の男・哲郎の物語。2人が徐々に信頼関係を築いていく中で、哲郎の抱える過去も明らかになっていくというあらすじだ。

水際に倒れていた青年・シンイチを演じるのは柳楽優弥。シンイチを自ら経営する木工所に迎え入れる男・哲郎役を小林薫が演じるほか、堀内敬子、YOUNG DAISらが共演者に名を連ねる。監督は是枝裕和と西川美和が立ち上げた制作者集団「分福」出身で、是枝監督と西川監督の監督助手を長年務めてきた広瀬奈々子。映画監督デビュー作となる『夜明け』の脚本は自ら書き下ろしたオリジナルとなる。

柳楽優弥は「小林薫さんとは、大河から続いて一年以上ご一緒させて頂いたので、信頼を寄せて撮影に挑む事が出来ました。広瀬監督は、初めてお会いした時から嘘のない目をしていて、この人について行こうと思える、とても心強い監督でした」とコメント。小林薫は「監督は女性で初監督ということでしたが、シュミレーションを何度としたのか、頭の中にしっかり出来上がったモノがあったンでしょうね。ブレずに指示していたことが印象的でした」と語っている。

また広瀬監督は「実質脚本に向かったのは約1年半ほどですが、震災以降の社会や権力のあり方について、20代の間に自分の中で悶々としていたものを全てぶつけるつもりで書き始めました。若い世代とその親世代に、それぞれの角度から観てもらえると嬉しいです」と述べている。

さらに是枝裕和は「脚本は、彼女らしく、骨太で繊細な人間描写が文字の上からでも充分伝わる作品です。彼女の為なら、と、多くのスタッフが参加を表明してくれていて、恵まれたデビュー作になりそうです」、西川美和は広瀬監督について「一番の特徴は、弱い者に対しての優しさが深いところにある部分だと思います。切れ味鋭く人の孤独を描きながらも、観る人に寄り添う作品の撮れる監督になってくれると思っています」とコメントを寄せている。

■柳楽優弥のコメント
今回久しぶりに、人と人との繋がりに重きを置いた作品に参加させて頂きました。
地方での撮影中、共演者の方々と、不思議と役柄のような距離感で過ごせたこともあり、支えられた事も多かったです。
小林薫さんとは、大河から続いて一年以上ご一緒させて頂いたので、信頼を寄せて撮影に挑む事が出来ました。
広瀬監督は、初めてお会いした時から嘘のない目をしていて、この人について行こうと思える、とても心強い監督でした。
皆様のもとにこの作品が届くことを、楽しみにしております。

■小林薫のコメント
自分の息子とは上手に向きあうことができず、事故でその息子を失っている役でした。
柳楽くん演じる青年と出会い、失った息子との時間を取り戻そうとするこれまた難しい役処でした。でも、柳楽くんとはその前にドラマで一年近くも一緒でしたので、スムーズに入れましたしやりやすかったですね。
撮影は殆ど千葉県の旭市近辺で撮りました。この辺りは豚のブランド肉が有名で、とても柔らかく超ウマのトンカツ屋があって、プロデューサーの一人は結構通ってたらしいですが、一度も誘われなかったのが心残りでしたね。
監督は女性で初監督ということでしたが、シュミレーションを何度としたのか、頭の中にしっかり出来上がったモノがあったンでしょうね。ブレずに指示していたことが印象的でした。

■広瀬奈々子監督のコメント
実質脚本に向かったのは約1年半ほどですが、震災以降の社会や権力のあり方について、20代の間に自分の中で悶々としていたものを全てぶつけるつもりで書き始めました。若い世代とその親世代に、それぞれの角度から観てもらえると嬉しいです。
現場は俳優とスタッフの距離が近く、常に熱気がありました。柳楽さんとは同年代ということもありお互いが納得するまで対話を重ね、小林さんには台詞の間からお芝居に関係する美術に至るまで具体的なアイディアをいただきながら撮影を進めました。
誰もが妥協せず、一つひとつのことに悩むことができたのは、新人監督としてとても幸せな経験でした。

■是枝裕和のコメント
この6年「分福」で監督助手として、是枝、西川の両作品を支えてくれた広瀬奈々子さんが満を持して映画監督デビューします。脚本は、彼女らしく、骨太で繊細な人間描写が文字の上からでも充分伝わる作品です。彼女の為なら、と、多くのスタッフが参加を表明してくれていて、恵まれたデビュー作になりそうです。僕とも西川とも違う新しい監督の誕生を大いに期待して、もうしばらくお待ちください。

■西川美和のコメント
広瀬さんには『永い言い訳』の監督助手についてもらいました。演技に対する観察眼や、映像センスはかなり鋭いものがあり、一年間じっと後ろから見られながら私は冷や汗をかき通しでした。しかし、一番の特徴は、弱い者に対しての優しさが深いところにある部分だと思います。切れ味鋭く人の孤独を描きながらも、観る人に寄り添う作品の撮れる監督になってくれると思っています。