2018年05月11日 10:32 弁護士ドットコム
「うちのエコカー、燃費がいいだけじゃなくて税金も安いし最高だよ」。こう思っていても、実は本来の税金よりも多くの税金を支払ってしまっているかもしれない。こんな事態を疑わせる自動車税の課税ミスが、全国各地で相次いでいる。
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5月末までが納付期限の自動車税で、既に明らかになっただけでも、9府県であわせて約2000台分、約4600万円もの課税ミスが発覚。台数や金額は以下のとおりだ。まだ他に増える可能性もある。
・宮城県(エコカー減税対象の220台に算定ミス、534万9000円を過大に請求)
・静岡県(エコカー減税対象の505台に算定ミス、1255万円を過大に請求)
・石川県(エコカー減税対象の98台に算定ミス、225万6500円を過大に請求)
・京都府(エコカー減税対象の236台に算定ミス、456万8000円を過大に請求)
・奈良県(エコカー減税対象の102台に算定ミス、261万6500円を過大に請求)
・兵庫県(エコカー減税対象の432台に算定ミス、1000万円を過大に請求)
・岡山県(エコカー減税対象の156台に算定ミス、373万6000円を過大に請求)
・大分県(エコカー減税対象の129台に算定ミス、311万1500円を過大に請求)
・宮崎県(エコカー減税対象の90台に算定ミス、224万1500円を過大に請求)
宮崎県の場合、2017年4月から9月に宮崎県内で新たに登録されたハイブリッド車などのエコカーのうち、車いす対応のため助手席を回転シートにするなどの軽微な改造がされた9車種90台で、過大請求があった。過大請求の額は計224万1500円。例えば「日産ノート」の場合、本来は9000円でいいところ、3万4500円を請求していたという。
このほかの8府県もおおむね同様の課税ミスだ。5月2日付でお詫びの文書を送付した京都府は、「再発防止を徹底する」(総務部納税課)としている。
なぜこうしたミスが立て続けに起きてしまったのか。
原因は、総務省所管で、税データの管理を委託する地方公共団体情報システム機構(東京)からの注意喚起を、各府県の担当者が見落としたことにあるようだ。
京都府の説明では、機構から、2017年4月から9月末までに新たに登録された車のうち、福祉車両などの軽微な改造がされた一部の車についてはデータに誤りがあるため、各府県で修正して対応するよう通知が9月25日付であったが、対応を怠ったのがミスの原因だという。
機構も今年5月9日、ホームページで、「各都道府県へのご案内が必ずしも徹底されなかったことから、複数の府県において誤った納税通知がなされたものと考えられます。結果として、複数の府県で課税誤りがおき、納税者の皆様に多大なご迷惑をおかけする事態となりましたことに対して、心からお詫び申し上げます」と陳謝した。
今回問題となった減税は、低燃費などの基準を満たしていれば、自動車税で75%や50%の軽減措置が受けられるというもの。
(取材:弁護士ドットコムニュース記者 下山祐治)早稲田大卒。国家公務員1種試験合格(法律職)。2007年、農林水産省入省。2010年に朝日新聞社に移り、記者として経済部や富山総局、高松総局で勤務。2017年12月、弁護士ドットコム株式会社に入社。twitter : @Yuji_Shimoyama
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