マクラーレンF1チームは、スペインGPに大型アップグレードを持ち込んできているが、レーシングディレクターのエリック・ブーリエは、マシンの開発計画は最終戦まで続く長期的なものであり、スペインのアップグレードはその一部に過ぎないと示唆した。
ブーリエは以前、マクラーレンは開幕までの開発作業に遅れが出たため、スペインでようやく真の2018年型パッケージを導入することになると述べていた。そのため、スペインで同チームにどれだけのパフォーマンスの向上が見られるのか、注目が集まっているが、スペインGP直前には、チームは慎重な発言を行うにとどまっている。
今週行われた報道のとおり、木曜、マクラーレンは大幅に変更したノーズを持ち込んできていることが分かった。金曜プラクティスでこれをテストする見通しとなっている。
「チーム全体がバルセロナに戻るのを楽しみにしている。ここはカレンダーのなかでも第1級の場所のひとつで、素晴らしいコースだ。それにヨーロッパで再びレースをして、シーズンの第2章を始められるのは素晴らしい気分だ」とブーリエ。
「それに大変人気のあるマクラーレンのブランドセンターが戻ってくる。すべてのチームのホスピタリティユニットがパドックに登場するので、まさに“新学期”のような気分だ。我々にとってはフェルナンド(・アロンソ)の母国GPとなるわけで、ファンからのサポートはまさに圧巻だ。彼らはいつも新たなレベルの熱狂をもたらしてくれる」
「他の多くのチームと同様に、金曜にはテストのためにいくつかマシンの新パーツを持ち込み、どれをこの週末で使用し、どれを今後のレースで使用するかを判断する予定だ。ロジスティクスの関係から、バルセロナは新パーツの実装に最も適したタイミングなのだ。これはシーズンを通してのマシン開発計画の一部であり、通常最後のレースまで続けられることになる」
「我々は一戦一戦に取り組み、一歩ずつ進んでいく。そうしてパッケージについて直面する課題に取り組んでいければと思っている。フェルナンドの母国の観衆の前で、2台ともがポジティブな週末を送れるよう、全力を尽くす」
ストフェル・バンドーンは、金曜に新パーツのテストを行い、早い段階でパッケージについての理解を深めたいと語っている。
「ヨーロッパでのレースは、いつだってとても慣れ親しんだ感じがする。特にバルセロナはね。僕たちは皆このコースをとてもよく知っているし、多くの時間を過ごしている。実を言うと、プレシーズンテストからそれほど長い時間が経った感じがしないんだ」
「ありがたいことにこの時期、天候はテスト期間のころよりは安定している。このサーキットでは頻繁にテストをしていて、データをたくさん持っているけれど、この冬のプレシーズンテストでは天候が悪く、マシンに問題が出たこともあり、本格的な走行をたっぷり行うことができなかった。それでもバクー以降、僕はファクトリーに戻ってシミュレーターでテストを行った。鍵となるのは、そこで得た情報をコース上で応用し、金曜の段階でできるだけ早くパッケージを把握することだ」
「パッケージにはいくつか新しいコンポーネントが含まれている。金曜にそれらについてしっかりと学んで評価するつもりだよ。評価することがたくさんある。でも他のチームも同じことをしようとしているはずだ。いつものように懸命に戦い、高い信頼性を確保し、今回もポイントを持ち帰ることができるように、戦略を最適化する必要がある」