ルノー・スポールF1チームは、現在レッドブルから貸し出されている形のカルロス・サインツJr.が、来年レッドブルから放出される可能性を見越し、彼との契約交渉を開始している。
ダニエル・リカルドがレッドブルからの移籍を決断した場合、2019年にサインツJr.はチームに呼び戻される可能性がある。ルノーはそれを阻む手立てが自分たちにないことを認識している。
しかしながらリカルドが残留する場合に備え、ルノーはサインツJr.と長期的な将来について話を始めていると、マネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは明かした。
「我々のチームには2名の素晴らしいドライバーがいると考えているものの、カルロスとは明らかに特殊な状況にある。来年の契約のことが顕在化しているが、そのことについて我々は最初から分かっていた」とアビテブールは述べた。
「だから我々は前もってどのような状況が起こり得るか、考え始める必要があるのだ。率直に言えば、それが我々がカルロスと長期契約についてすでに話し合いを始めている理由だ。彼も我々も状況を完全に掌握できないことを受け入れつつ、来年以降どのようなことが考えられるかについて話をしている」
「非常に満足できる状況とは言い難いが、我々は今も多くの領域で遅れを取り戻そうとしている状況であることを受け入れなければならない。そのひとつがドライバー市場だ。それに関して我々の将来と運命をもっとコントロールできるようになる必要があるのだ」
アビテブールはルノー・ワークスチームはいまだ発展途上にあるとして、たとえばリカルドのようなトップ層のドライバーを引きつけられるような強力で魅力的なパッケージを提供できる状況ではないと語る。
「我々はリカルドのような才能のあるドライバーに関心がある」とアビテブール。
「ダニエル・リカルドは、我々の強みと弱みがどこにあるのかを明確に理解するのに非常に適したポジションにいる。私がしているのはエンジンの話だ。言うまでもなく彼のマシンはルノーエンジンを使用しており、良いときもあれば不調なときもある」
「もしリカルドのようなドライバーを、あるいはその他の優れたドライバーを引きつけたいのならば、第一にしなければならないのは我々の態勢を整えることだ。もし最高のシャシーとエンジンのパッケージを構築できたら、確実に優れたドライバーを呼び込むことができるだろう。なぜなら我々が自分たちの野望やリカルドのようなドライバーに対して真剣であることを示せるからだ」
「だがダニエル(のようなドライバー)を獲得するためにまず我々がする必要があるのは、(エンジンの)問題を解決すること、いや壊れているわけではないのだから解決するというよりも、エンジンの状況を完全に制御できるようにすることだ」
「すべてをコントロールすることはできないかもしれないが、少なくとも将来の見通しを持つ必要がある」
「そのために私はエンジン面でもレッドブルとの交渉をスピードアップしようとしている。ドライバーについても同様になるだろう」
「すべてをコントロールすることができないことを念頭に置きながらも、我々はなるべく早く計画を確定させる必要がある」