トップへ

池井戸潤『七つの会議』映画化 野村萬斎、香川照之らがサラリーマンに

2018年05月10日 14:21  CINRA.NET

CINRA.NET

『七つの会議』キャスト一覧 ©2019 映画「七つの会議」製作委員会
池井戸潤の小説『七つの会議』が映画化され、2019年に全国で公開される。

『七つの会議』は2016年刊行の長編小説。都内にある中堅メーカー・東京建電で働く営業一課の万年係長・八角民夫が、トップセールスマンである年下の上司・坂戸宣彦をパワハラで訴えたことから、騒動に隠された謎が社員たちの人生や会社の存在を揺るがしていく、というあらすじだ。

入社当時は敏腕営業マンだったが、現在は「居眠りハッカク」の通称を持つ「ぐうたら社員」の八角民夫を演じるのは野村萬斎。社内の絶対権力者であり営業部長の北川誠役を香川照之、パワハラ騒動後に営業一課長として抜擢されるも成績を上げられずにとまどう営業二課長・原島万二役を及川光博、部長の北川が全幅の信頼を寄せるもパワハラ騒動で異動になる坂戸宣彦役を片岡愛之助が務める。

また、過去に東京建電と取引のあった老舗のねじ製造工場の四代目・三沢逸郎役の音尾琢真、営業第一課が扱う製品のねじを一手に製造している東京建電の下請け会社社長・江木恒彦役の立川談春、東京建電の親会社であるゼノックスの代表取締役社長・徳山郁夫役の北大路欣也がキャストに名を連ねている。監督は『私は貝になりたい』の福澤克雄。福澤はTBSドラマ『半沢直樹』など、池井戸作品のドラマ化を多く手掛けてきた。

野村萬斎は「私自身、初のサラリーマン役。それでいて、八角は一癖も二癖もある決して平凡ではない役どころなので、演技すること自体が新たな挑戦だなと思います」とコメント。香川照之は「相変わらず男臭いキャストが満載のこの福澤組に、どんなたおやかな風を野村萬斎は吹き込むのか?」、及川光博は「『半沢直樹』以来の池井戸作品の出演となります。いただいた脚本がとにかく面白く、今作の一部として機能できることにワクワクしています」と語っている。

■野村萬斎のコメント
ようやくめぐり合えた池井戸作品。そして、福澤監督とのお仕事に心から喜びを感じています。
私自身、初のサラリーマン役。それでいて、八角は一癖も二癖もある決して平凡ではない役どころなので、演技すること自体が新たな挑戦だなと思います。
今作は、登場人物たちが人生を懸けてしのぎ合う、手に汗握る物語。
個性あふれる共演者の方々とのお芝居も楽しみでなりません。
特に、香川(照之)さんは、芝居と古典芸能の両側の世界で生きる者として、“気”“間合い”のような独特の感覚が互いにあるように感じています。共演が本当に楽しみですね。
原作をご存知の方も、そうでない方も、そのスリリングな展開を大いに堪能していただけるはずです。

■香川照之のコメント
池井戸潤・福澤克雄の両巨頭が組む作品カラーはすでに国内に幅広く浸透しているという点では、そこに出演する私に求められる役割はほぼ確定していると言ってもいいのだが、主演の野村萬斎という鬼才と福澤との融解、あるいは彼と池井戸ラインとの化学反応こそは、私が現場で土下座してでも盗み見たい最大の焦点だ。相変わらず男臭いキャストが満載のこの福澤組に、どんなたおやかな風を野村萬斎は吹き込むのか?

■及川光博のコメント
「半沢直樹」以来の池井戸作品の出演となります。
いただいた脚本がとにかく面白く、今作の一部として機能できることにワクワクしています。
私が演じる原島は有能な人間ではありませんが、人を思いやる中間管理職。
野村萬斎さんの演じる“居眠り八角”に翻弄されながらも会社内の謎に迫っていきます。
ご鑑賞くださる皆様に、ぜひ感情移入していただきたいですね。

■片岡愛之助のコメント
今回のオファーを頂いた時、「七つの会議」は池井戸さんの作品だと知っていましたので非常に嬉しく、ぜひ!という感じで受けさせて頂きました。今回演じる坂戸という役柄は、仕事ができてとても優秀なのですが、ノルマ達成に強すぎるほどの責任感とプライドを持っています。 強引な面がある一方で、みんなで仕事を頑張ろうという熱意も持っている人間なので、裏と表をうまく出せればと思っております。
今回共演する野村萬斎さんとはプライベートで仲良くさせて頂いておりますが、仕事をご一緒するのは初めてです。同じシーンが多いのでリラックスして撮影をすることができております。香川さんは歌舞伎の舞台でご一緒することがあるので、いろいろなお話ができ楽しませて頂いております。北大路さんは若い頃から可愛がってくださり、今回ご一緒できることが幸せです。

■音尾琢真のコメント
「陸王」に続いて、池井戸先生の作品にまた出演できて幸せです。私の役は、ネジ作りを代々続ける零細企業の社長ということで、発注元の大会社に負けじとプライドを持って働く様を、しっかりスクリーンに映し出していきたいです。今回発表の出演者の皆様とご一緒にできるのを楽しみにしております。

■立川談春のコメント
狂言師、歌舞伎役者、アーティスト、ちょっぴり落語家も。あいかわらず福澤組のキャスティングは一筋縄ではおさまりきりませんね。
作品のテーマは「義」だと思っています。人としての義、時代に沿って変化してゆく義とはなんぞや。考えても答えのでない事を考えることは愚と呼ばれる時代なのでしょうが、その行いは池井戸作品の大事なテーマのひとつだと思うのですが。
御期待下さい。

■北大路欣也のコメント
TBSドラマ「半沢直樹」以来、久しぶりの福澤監督演出になります。
テーマがテーマなので今から緊張しております。

■伊與田英徳(プロデューサー)のコメント
八角という風変わりで何を考えているのか分からない懐の深いキャラクターに出会ったとき、兼ねてからご一緒したいと思っていた野村萬斎さんの顔が浮かびました。様々な分野でご活躍ですが、私は、ある舞台を観劇した際、登場した瞬間に舞台の空気が変わったことを印象的に覚えております。今回も、様々な会議で色々な空気感を出していただけるのではないかと思っております。監督の福澤共々、切望しておりました。楽しみにしております。
共演者の方々には、豪腕で会社をずっと支えてきた北川部長役には、今ぴか一の存在感の強さを誇り、いつも想像を超えたお芝居をしていただく香川照之さんに、うだつの上がらないサラリーマン役には、イメージと違うと思われるかも知れませんが、内面のやさしさがこの役に合っている及川光博さんに、エリート課長役には、ピリッと目力のあるお芝居をされる片岡愛之助さんに、ネジを作り続けてきた町工場の社長役を、人情味溢れる芝居をしていただける音尾琢真さんに、下請け会社でありながら業績を伸ばしてきた敏腕社長役には、強面さと優しさの両面を自在に操るお芝居をしていただける立川談春さんを、そして、親会社の絶対的社長の徳山役に、御前様と恐れられながらも現役社長として大会社を牽引しているその存在感を出せる方はこの方しかいない北大路欣也さんにお願い致しました。
池井戸先生が描かれた、様々な会議で繰り広げられる、日本の会社だからこそ起きてしまった日本の縮図のような様々な人間模様を、この7人の方々がどう演じられるのか、今からワクワクしております。

■池井戸潤のコメント
この物語には、実に様々な登場人物たちが蠢いています。正直者ばかりではありません、一筋縄ではいかないクセ者もたくさん登場します。その強烈な個性を出演者の皆さんはどう表現するのでしょうか。また彼らの抱く心の闇を、監督の福澤克雄氏はどう演出して魅せてくれるのでしょう。いまから楽しみでなりません。

■福澤克雄のコメント
これまで共に歩み、様々なチャレンジを行ってきた池井戸作品。この度、『七つの会議』を“映画”としてお届け出来る事に大きな興奮と喜びを感じています。
初めてご一緒する主演の野村萬斎さんには、唯一無二の圧倒的な表現力で、今までにない、ある種の闇を抱えたヒーロー像を演じて頂きたいですね。
今作は「会議」を舞台にした物語。今まで見たことのないような映像表現に挑戦し、極限まで追い詰められた人間の心情と行動を、ドラマチック、且つダイナミックに描ければと思います。