■少女への淫行でアカデミー会員から追放
『アカデミー賞』を主催するアメリカの映画芸術科学アカデミーからの追放が発表された映画監督ロマン・ポランスキーが、アカデミーを訴える考えがあることがわかった。
1970年代に13歳の少女に性的暴行を加えたとして有罪判決を受け、国外に逃亡したロマン・ポランスキー。アカデミーは現地時間の5月3日、同じく女性への性的暴行で有罪判決を受けたビル・コスビーと共に両者の会員資格をはく奪し、除名とすると発表していた。
複数の海外メディアの報道によると、この処分を受けてポランスキーの代理人ハーランド・ブラウンがアカデミーに書簡を送付し、ポランスキーに弁明の機会を与えないのは、アカデミーの規定およびカリフォルニア州法に反すると主張。
さらにブラウンは『Los Angels Times』のインタビューに対し、自分たちが望んでいるのはポランスキーの主張を聞く機会を設けることであり、法的措置をとることを積極的に望んでいるわけでないが、要望を聞き入れてもらえないのであれば裁判所に行くしかない、と語っている。
■2003年『アカデミー賞』授賞時に「みんな知っていた」
またブラウンは書簡と共にポランスキーが2003年に『戦場のピアニスト』で『アカデミー賞』監督賞を受賞した際の映像も送付。授賞発表時に参列者は会場に不在のポランスキーに対してスタンディングオベーションを送ったが、「この時みんな彼の事件のことを知っていた。それなのに弁明の機会も与えずに追放するのか?」と疑問を呈している。
■#MeTooは「集団ヒステリー」で「偽善」
映画界では、プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインに対するセクハラ告発をきっかけに、映画人たちが働いてきた数々の性的暴行、性的嫌がらせが発覚。この状況に立ち向かおうと「#MeToo」や「TIME'S UP」といった運動が広がっている。
ポランスキーはポーランド版『Newsweek』のインタビューで、#MeToo運動について「集団ヒステリー」であり「完全に偽善的な行為」と発言。このインタビューはアカデミーからの除名処分の数日前に行なわれたという。