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「ダンメモ×キノの旅」悠木碧&斉藤壮馬インタビュー コラボ誕生秘話、 そして一緒に旅をしたいパートナーとは?

2018年05月09日 21:22  アニメ!アニメ!

アニメ!アニメ!

「ダンメモ×キノの旅」悠木碧&斉藤壮馬インタビュー コラボ誕生秘話、 そして一緒に旅をしたいパートナーとは?
4月27日より、ゲームアプリ『ダンまち~メモリア・フレーゼ~』(以下、ダンメモ)にてスペシャルなコボレーションがスタートした。
2017年に14年ぶりのTVアニメ化で話題を呼んだ、時雨沢恵一さん原作の『キノの旅 -the Beautiful World- the Animated Series』(以下、キノの旅)。そして大森藤ノさんの原作を元に、TVアニメも好評だった『ダンジョンで出会いを求めるのは間違っていだろうか』(以下、ダンまち)。
両作品でおなじみのキャラクターたちが『ダンメモ』でまさかの共演を果たしているのだ。


『ダンメモ』初のコラボ、しかも原作者Wシナリオ原案という、気合入りまくりの本企画。アニメ!アニメ!ではコラボスタートを記念して、悠木碧さん(キノ役)と斉藤壮馬さん(エルメス/ヘルメス役)のおふたりにインタビューを敢行。

企画の意外な誕生秘話からレコーディングの様子、『ダンまち』の好きなキャラクター談義まで幅広い話題に触れながら、お話を聞くことができた。
[取材・構成=小松良介]

スマートフォン向けゲームアプリ『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~』
http://danmemo.com/

【関連記事】「ダンまち×キノの旅」奇跡のコラボが生まれた舞台裏とは…大森藤ノ先生&時雨沢恵先生インタビュー【前編】
■「言霊によって色々な縁がつながった」(斉藤)

――おふたりが出演されている『キノの旅』が、スマートフォン向けゲームアプリ『ダンメモ』とコラボしましたが、初めて聞いた時のご感想はいかがでしたか?

斉藤壮馬(以下、斉藤)
実を言うと、僕は『ダンまち』と『ダンメモ』、そして『キノの旅』に関わらせていただいたおかげで、原作者の大森(藤ノ)先生や時雨沢(恵一)先生と仲良くなって、ごはんに行ったりもしていたんです。
それで3人で「いつか一緒に面白いことをやりたいですね」なんて夢を語ったりもしていて。

だから企画のお話を聞いた時は、すごく感慨深かったです。
僕は言霊というものをわりと信じているのですが、自分の思いや、やりたいことを言葉に出していけば、色々な縁がつながって、新しいものが生み出されるんだなあって。


――悠木さんはいかがでしょうか?

悠木碧(以下、悠木)
きっかけは壮馬君から聞いていたので、なるほどなあって思ってました。
今回のコラボで関わる前からも、『ダンまち』はとても人気のある作品だったので、「胸の下を青いリボンで結んでるヒロインがいる」ということは知っていました。

斉藤
(笑)。逆に言えば、キノと同じ目線に立てたってことだよね。

悠木
そうそう! 本当にキノと同じ気持ちだった。キノが剣と魔法の国に行って大丈夫なの!?って思いながら。
でも、コラボってそれぞれのファンの方々がお互いの作品を知るきっかけになることが大きな魅力なので、まさに『ダンまち』に興味を持つ良い機会だなって。
『キノの旅』ってキノたちが色々な国に行く物語だから、元々いろいろなコラボがしやすい印象はあったけど、人気作品とのコラボなので、キノも喜ぶんじゃないかなって思いました。


――今回は原作者おふた方によるW原案シナリオになりますが、シナリオを読んだ時の感想を教えてください。

悠木
基本的にキノって、どこの国に行って誰としゃべっても変化が少ないキャラクターなんです。
でも、今回はとっても特別感のある脚本なので、キノ本人もなんだか楽しそうな気がして。ちょっとだけコミカルな一面を見ることができた印象はありました。

あくまで旅先の新しい国で新しい文化を見た、いつものキノが描かれているんですけど、『ダンまち』って剣と魔法の世界だから、キノ的には「魔法を使ってる!」なんて驚いただろうなって。

斉藤
僕はそうですね。そもそもエルメスもヘルメスも、どっちも人間じゃないなっていう。

悠木
あー、そっか! ヘルメスって神様だもんね。

斉藤
そうなんですよ。神様と二輪車(モトラド)。その両方の声を人間の僕が操るという、おこがましくもありがたい立ち位置で(笑)。
それに、自分が演じたキャラクター同士の掛け合いができる経験なんてそうそうないじゃないですか。だからすごく楽しみにしてて。

悠木
うんうん、なかなかないよね。

斉藤
そしたらヘルメスがいっぱいしゃべってる! たぶんヘルメス史上、一番厚くて実のある台本だったんじゃないかと思います。
『ダンメモ』でヘルメスを演じている時って毎回楽しいんですよ。今回のコラボでは『キノの旅』でキノとエルメスの掛け合いをもう一度できるわけだから、そういった意味でも嬉しさがありました。

■「隣にエルメスがいるとやりやすい」(悠木)

――ゲーム作品での声の収録って、個別で録られるケースが多い印象がありますが、今回の場合はいかがでしたか?

斉藤
はい、その通りですね。

悠木
ひさしぶりにバラバラで録ったから、逆に難しくなかった?
ひさしぶりにキノが演じられるから気合入ってたんですが、お互いに空気感を出し合って成り立っていた現場だから、隣にエルメスがいないとキノを演じるのがむずかしくて(笑)。

斉藤
最後の収録から半年ぶりくらいですかね。

悠木
えっ、コワッ。時が経つのは早い……。

斉藤
またシンプルな感想を(笑)。
ただ、今回はキノとエルメス、というよりもヘルメスとエルメスの掛け合いのほうが多かったから。

悠木
やっぱりヘルメスとエルメスは別々に録ったの? それとも掛け合ったの?

斉藤
先にエルメスを録って、次にヘルメスという録り順でしたね。なぜならヘルメスのほうが大変だから……。
すごく叫んでるんですよ。ずっとテンションが高くて、時々急にロートーンで意味深なことを言うみたいな。


――元々ヘルメスは体力の消耗が激しい役だったんですね。

斉藤
はい。今となってはアニメよりゲームのほうがセリフの分量が多くなりましたが、そこは変わっていないです。
アニメはあくまで原作の一部であって、ゲームはその描かれていない色々な表情も見ることができます。基本的なカロリーは毎回高いんですけど、だからこそ楽しい役どころだと思ってます。

――エルメスについてはいかがですか?

斉藤
エルメスは存在が二輪車(モトラド)なので、悠木さんがさっきおっしゃっていたように、やっぱり一緒に走ってきた感じがすごくあって。
キノが(エルメスを)乗るか押すか、アクションを起こしてくれないと難しいな、というのはありました。

悠木
ああそうだ! キノがどう思っているかはちょっと分からないけど、個人的にキノ以外がエルメスに乗るのことにすごくモヤっとしました(笑)。

斉藤
あー、自分も複雑な気持ちでした。今回のヘルメスのコラボイラストはエルメスに乗っているんですが、演じる側としては、乗る側だし乗られる側だし、永久機関みたいな感じでしたね。

悠木
すごい、永久機関(笑)。
キノはそんなに感情の起伏があるキャラクターじゃないから分からないけど、悠木本人は「ぐぬぬ、でも本人なら仕方ないか」みたいな気持ちでした。
そりゃあそうですよね。だって本人ですから。私じゃあCV:斉藤壮馬になれないから仕方がない……。

■「自分の人格形成に影響を与えた、すごく大きな存在」(斉藤)

――先ほどおふたりとも子どもの頃に『キノの旅』を読んでいたお話をされましたが、個人的に好きなところを教えてください。斉藤さんはどうですか?

斉藤
はい。ただ、ありすぎて悠木さんが次の仕事に間に合わなくなっちゃいますが……。

悠木
ちょっと! でも分かる。語りたい。

斉藤
僕が『キノの旅』を初めて読んだのは中1くらいの時です。元々本は好きだったんですけど、作品で描かれる物語や設定が当時すごく新鮮で。
キノたちが1つの国に留まるのは3日間だけ。そして、登場人物の多くが固有名詞を持たない。キノたちはあくまでもアウトサイダーというか旅人という立場で、 行く先々の国の人々に接している。それに、必ずしもハッピーエンドにならないという展開も心惹かれました。
アニメではエピソードを厳選していますが、他にもまだアニメ化されていないお話がいっぱいあるんです。


――(笑)。たしかに中学時代に読むと、かなりインパクトのあるお話が多いと思います。

斉藤
ちょうど自我が芽生え始めた時期でしたが、勧善懲悪だけじゃない物語が読みたいな、なんて思っていたので、自分にすごくフィットしました。
また、子どもの頃は理解できなかった一文が、大人になって「あれはそういう意味だったんだ!」と気付く瞬間もあって。それぐらい自分の人格形成に影響を与えた、すごく大きな存在を占めている作品だと思います。

――悠木さんはいかがですか?

悠木
私が初めて読んだのは、『キノの旅』が2003年にサウンドノベルゲームを出すという時でした。さくらという別のキャラクターのオーディションを受けるために、お仕事の資料として購入したんです。
当時、私は小学校5年生で、自我がギリギリ芽生えていないくらいだったから、すごくセンセーショナルに感じた記憶があります。小学生って大人が間違えるはずがないって思ってるじゃないですか。でも、『キノの旅』では大人が普通に間違えるし、どんどん堕落するし、子どもが正しいこともある。それも国によって考え方が色々あって、人によって価値観が違って、広く世界観を描いている作品に触れたことがなかったので。
成長していく過程でも自分の考え方に大きく影響してくれた作品だったんです。

斉藤
よく分かります。

悠木
当時は1つのエピソードを読むたび、頭の中で色々と考え込んでしまう感じでした。
でも、大人になってアニメでキノを自分がやると決まって、改めて読み返したら、なんだか落ち着くんです。「そうか、こういう人もいる世の中なんだ」って。
あの頃と自分の心の動きが全然違ってて、もう一回読み返すべきだなって思いました。


――TVアニメシリーズに関して言うと、2003年に演じられたさくらと今回のキノの関係性について感慨深げなファンも多かったように思います。

悠木
やっぱりさくらとキノって結びつきの強いキャラクターだから、その感覚はよく分かります。
私も「ちゃんと帰って来れたな」みたいな心境はありました。それに、当時やっていたセリフを、まさか別の子がやる日が来るなんて思ってもいなくて。それはなんか、純粋にすごく感動しました。「ああ私、ちゃんとまだ役者やってるんだ」と思って。
それこそ小5からやりたいと思っていた仕事で、ちゃんとお芝居で評価してもらって、職業にできたというのは、昔の私に教えてあげたいなあという気持ちになりましたね。

――『キノの旅』でおふたりが訪れてみたい国はありますか?

悠木
ええー、どの国も全然行きたくない(笑)。

斉藤
分かります。日本という国、いいですよね(笑)。

悠木
キノを演じておいてなんですけど、私は旅行って、自分の住んでるところの良さを改めて感じるために行くものだと思っているんですよ。
すごい素敵な景色を見て心機一転したけど、やっぱりおうちが一番だなって(笑)。

斉藤
『キノの旅』はちょっと戯画化された国ばかりで、極端な価値観が多いから自分が行くとなるとなかなか。
でも、『迷惑の国』みたいな移動するコミュニティは一度体験してみたいなっていう気持ちはあります。

■「イケメンは好きだけどヘルメスはちょっと」(悠木)

――話題を『ダンまち』に戻しますが、『ダンまち』の中でパートナーにしてみたいキャラクターはいますか?

斉藤
これはまた酷な質問を……(笑)。

悠木
オススメのキャラクターを教えて(笑)。

斉藤
うーん……。じゃあショタとおっぱい、どっちが好きですか?

悠木
ええー、じゃあショタ!(笑)

斉藤
じゃあもう主人公のベル君でいいじゃない!
あ、でも悠木さんだったらアイツと組んでほしいかも。(岡本)信彦さんが演じているベートっていうキャラクターがいるんですけど……。

悠木
そのココロは?

斉藤
信彦さんにいっぱい叫んでほしいから。

悠木
ちょっと! 事務所の先輩なんですけど(笑)。

斉藤
そうそう。信彦さん、めちゃくちゃ良い芝居をしてるんですよ。
日常会話でふつうにハイハイってあしらわれるだけのシーンなのに、「えっ!? 壊すのこの街を?」っていうくらい叫んでる。

悠木
どういうこと(笑)。
あっ、でも(キャラクターのイラストを見ながら)耳とか生えててかなりいい感じだと思います!

――卒業アルバムを見てる感じになってきました。

悠木
すみませんなんか(笑)。あっ、でもこのウサギ(ニードルラビット)が可愛いくていいな。

斉藤
それモンスターじゃないですか(笑)。

■「美人のお姉さんならどなたでも」(斉藤)

――斉藤さんはいかがですか?

斉藤
ヘルメスのいるファミリア(一般的にギルドのような組織)に、アスフィというメガネお姉さんがいるんですけど、好きですねえ~、とても良いです。
すごく強くて世話焼き女房なんだけど、ヘルメスにいつも振り回されているっていう。僕、基本的にお姉さん好きなので、美人のお姉さんならどなたでも構いません。


悠木
なんか「のぞきは男のロマンだぜ」と言いそうな感じだと思った。

斉藤
ええー。でも、ヘルメスは周りからも似てるって言われるんですよね。


■「コラボが上手く行ったら“2期の国”もお願いします!」(悠木)

――アフレコ中の様子がイメージできて参考になりました。とても掛け合いを楽しんでいらっしゃいますね。

斉藤
たしかに『キノの旅』に関しては掛け合いすれば分かるというか。
ああしようこうしよう、って論理的に決めるんじゃなくて、エルメスがしゃべったらキノが答えて、キノが行こうって言ったらエルメスが応えるみたいな、すごくシンプルで大事なことをやっていたかなって思います。

悠木
うんうん。
あとキノもエルメスもどっちも受け身なんです。何かがあったら、一回ちゃんと受け止めて、答えを出すというキャラクターなので。

――ありがとうございます。最後にこれからリリースを楽しみにしているファンの方々に向けて、メッセージをいただけますか。

斉藤
ご縁があって色々なキャラクターを演じられて、しかもそれを長く続けられることは本当に幸せなことだと思います。
まして、こうして自分の参加している両作品がコラボという形で触れ合って、新しいものを生み出す瞬間に立ち会えて。
チャレンジする意味で難しくはあるんですけど、同時に面白さもあって、またこうした機会があったらいいなって思います。

エルメスはもちろんですが、ヘルメスもアニメでは外伝の『ソード・オラトリア』で少し関わってから久しぶりだったので、嬉しいです。
きっとこのコラボレーションで初めてお互いの作品に深く触れる方もいらっしゃると思いますが、好きなものが増えた方が人生楽しいんじゃないかと思うんです。

これからもみなさんと一緒に好きなもの巡りの旅を続けていけたら嬉しいです。
今後とも『ダンまち』『ダンメモ』、そして『キノの旅』をよろしくお願いします!


悠木
キノと同じで、知らない世界に初めて触れる感覚で関わらせていただいた今回のコラボですが、最近って作品同士のコラボが増えているじゃないですか。
今回は原作の先生同士がこだわって作られているだけあって、どちらの世界観もすごく上手に融合していると思うんです。
だから、おそらくどちらの作品のファンも、新しい世界でちゃんと活躍する彼らを見ることができると思います!

本当にお話も面白かったし、キノを演じていても楽しかったです。
だから『ダンメモ』をプレイしたことない方も、『キノの旅』を読んだことがない方も、これを機に楽しんでいただいて、お互いの世界を好きになってくれたら良いんじゃないかなって。
できればその先に「2期の国」が、あったらいいなと思います。


斉藤
「2期の国」は本当に実現してほしいです。今度は14年ぶりとかじゃなくて、もうちょっと早くできたら。エルメスのエンジン音が変わらないうちに……。

悠木
そうなの!
その時はキノも変わっちゃうからね(笑)。世代交代の前になんとか2期ができたらいいなと思ってます。どうぞよろしくお願いします!!

ダンメモ×キノの旅コラボを記念してキノ役の #悠木碧 さんと、エルメス役&ヘルメス役の #斉藤壮馬 さんから特別メッセージをいただきました!以下のボタンからツイートしてメッセージをチェックしよう! https://t.co/71RiJy3GpQ— ダンまち~メモリア・フレーゼ~@500万DL突破! (@danmachimemoria) 2018年5月2日


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