川合孝汰が2戦連続で4位、表彰台が目前に迫る!
小倉祥太も9位~7位と連続入賞を果たす
FIA-F4選手権第3戦・第4戦
5月3日(木・祝)~4日(金・祝)
富士スピードウエイ4.563km
ル・ボーセモータースポーツの参戦カテゴリーのひとつ、FIA-F4選手権シリーズの第2大会が、5月3日(木・祝)、4日(金・祝)に富士スピードウェイ(静岡県)で開催された。開幕戦の岡山大会で、川合は悔しいポジションからファステストラップを記録するほどの追い上げを見せて、16台抜きの8位入賞。小倉もデビューレースでしっかり完走していただけに、さらなる上位ポジションでの予選、そして決勝での表彰台を目指し、国内最長となるホームストレートを有する富士スピードウェイでの戦いに臨んだ。
予選 5月3日(木・祝)
天候/雨
コース状況/ウエット
ゴールデンウイーク中の開催とあって、火曜日と水曜日に専有走行が行われた。川合は4セッションすべてトップ6につけ、特に最終確認の場となるセッション4では2番手につけるなど上々の滑り出しを見せた。富士でのレース経験を持たない小倉は、富士の走り方を確認しながらも、着々とタイムアップを果たし、セッションを重ねた。
早朝からの大雨も、幸い予選が始まる頃には止んだが、代わってサーキットを襲ったのが霧だった。路面状態は時間の経過とともに向上していったが、徐々に視界が奪われていき、残り10分を間もなく切ろうというタイミングで、ついに視界不良のため、赤旗が出されて予選はそのまま終了となった。そんななかでもコースを果敢に攻め立てていった川合は、最後のアタックの周にジェントルマンドライバーに行く手を阻まれながらも第3戦の予選順位となるベストタイムで5番手、第4戦の予選順位となるセカンドベストタイムで4番手につける。
そして、小倉も経験のなさを感じさせないほど、周回を重ねるごとタイムを詰めていくが、セクター1~2と自己ベストを更新した周に最終コーナーでスピンを喫してしまう。それでもベスト、セカンドベストともに13番手につけ、初入賞の期待がかかった。
第3戦決勝 5月3日(木・祝)
天候/曇り
コース状況/ドライ
予選の後もしばらく濃霧がコースを包んだことから、タイムスケジュールは大幅に変更され、当初の予定より40分遅れで第3戦決勝が行われた。その頃には午前中の悪天候が嘘のように、陽が差しはじめ、また降雨後の割にはGTがしっかり走り込んだため、路面にはラバーがこびりついてスタートを難しくしていた。川合はポジションキープの5番手で1周目を終えたものの、小倉は14番となる。
序盤の川合は3番手を争う集団の中でチャンスを待って、7周目には前車の後ろにピタリとつく。そして、8周目のヘアピンでインを刺すも横並びの状態で、続くダンロップコーナーで抜き去り4番手に浮上する。このバトルの間、前車が逃げにかかり、残りの周回で猛追を続けるが、スリップ圏内から離れているせいか差は変わらず、スタートからひとつポジションを上げた4位でチェッカーを受けた。
一方、小倉は序盤のうちにオーバーテイクを重ね、5周目には10番手に浮上、終盤には前方の2台に追いついていた。最終ラップのレクサスコーナーで2台まとめて抜きにかかるも、レコードラインを外れた滑りやすい路面に足を取られて逆転は叶わなかったが、初めての入賞を果たした。なお、レース後に1台がペナルティを課せられたため、小倉は9位に繰り上がる。
第4戦決勝 5月4日(金・祝)
天候/晴れ
コース状況/ドライ
スタートを決めた川合は、ひとつ順位を上げて3番手に、小倉はダンロップコーナーの混乱を回避して11番手に浮上する。2周目に前を走る車両に接触があり、またひとつ順位を上げた小倉は、その後も激しいバトルを繰り広げた。
川合はトップを争う2台のバトルで徐々に差を詰め、チャンス到来と見た11周目に勝負をかけた。100Rで2番手をとらえ、その後のダンロップコーナーで抜きにかかるが、最終コーナーで再度3番手に。そのまま後ろから迫ってきた2台と4ワイドで1コーナーに飛び込んでいくも、寄せられたことによる接触を避けるためにコースアウトし、5番手となる。
しかし、気持ちを切らしていなかった川合は、逆転のチャンスを見定め、最終ラップのヘアピンで再度オーバーテイクを果たし、4位に戻してチェッカーを受けた。小倉は、9周目に11番手となったが、最終ラップのストレートでスリップに入り、そのまま横並びで立ち上がっていく。そして、コカコーラコーナーの出口で抜きにかかり、第3戦に引きつづき入賞圏内の10位でゴールを果たした。
その後、3名にペナルティが課せられたこともあって、7位に繰り上がり、デビュー2大会目で早くも連続入賞を果たした。川合ともども成績は右肩上がりで、5月19~20日に行われる次戦は、小倉にもレース経験のある鈴鹿サーキットが舞台となる。川合、小倉ともに優勝への期待がかかる。
レース後コメント
チーム監督:坪松唯夫
「今週は十分に戦える状態にあっただけに、今日の結果は残念でならない。混戦の中で競い負けをしていてはチャンスをものにできない。厳しい言い方をすれば速さはあったが強さが足りなかった。課題が明確になった今、次戦の戦い方は決まっている」
小倉祥太
「予選で初めて雨の富士を経験して、いろいろ試しながら走っていたのですが、ベスト~ベストでまとめてきた周に、タイムを出すぞって気持ちが強すぎてセクター3でスピンしてしまいました。それが予選を失敗してしまった原因だと思います」
「レース1のスタートは回転が落ちすぎて、それで鈍ったところもあったので、レース2では回転高めの意識でスタートしていったのですが、逆に最初の蹴り出しが高すぎて、少し遅れてしまいました。序盤に前との間隔を開けられてしまうというのが今の課題であって、特にレース2では序盤に前のペースについていけなくて、逆に後ろの集団に捕まり、前からは離されてしまいました」
「序盤のペースと、基本的にもっと自分の限界値を高めないといけません。次回はいい思い出も、悪い思い出もある鈴鹿なので、岡山と富士は初めてでしたが、経験のある鈴鹿で頑張りたいと思います」
川合孝汰
「最初のレースはGTが走った後だったせいか、思ったより路面が粘っていて、スタートは少し食われた感じでした。その後、前後を走るクルマよりコーナーでは速かったのですが、ストレートでは向こうの伸びが良かったので、そのあたりを踏まえてセットを変えたら、より戦えるようになりました」
「レース2は、スタートも悪くなく、後半に勝負をかけようと思っていたのですが、思っていたより早くホンダ同士の争いが始まってしまって。僕の仕掛けが悪かったので、団子状態になった後に寄せられてしまったのは、本当にもったいなかったです。ただ、展開は良くなかったですが、クルマ自体はすごく良くて、トップと戦える状態にはあるので、次の鈴鹿までに過去の動画を見直して、同じようなことをしないよう心がけます」