2018年05月09日 10:52 弁護士ドットコム
GWが明けました。本社での研修を終え、任地に引っ越す・引っ越したという新入社員の方も多いのではないでしょうか。
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地方配属になったとき、頭を悩ませる問題の1つに、自動車を買うかどうかが挙げられます。新聞記者が典型例ですが、仕事にも自家用車を使うという場合、会社は費用のすべてを労働者に負担させて良いのでしょうか。
結局、生活やプライベートにも必要だからということで、多くの人が車を買ったり、譲り受けたりしていますが、法律的にはどう考えられるのか。武田健太郎弁護士に聞きました。
ーー業務にも使うんだから、会社はいくらか費用負担すべきでは?
業務にも必要ということで、会社から自家用車を購入する(自家用車を持っている場合は自家用車を使用する)ように半ば強制されてしまうことがあります。
その場合に、自動車の購入資金、保険料、ガソリン代などの費用を会社が負担するのか、労働者が負担するのか、一部のみ負担するのかという問題が生じます。
この点については、明確に費用負担等を定めたものはなく、会社と労働者との話し合いで決めることになります。もっとも、労働者は、弱い立場に置かれることが多いため、会社の意向に従わざるを得えないと思い、特段交渉等もせずに会社の条件を鵜吞みにしてしまう方が多いのが現状です。
多くの会社で、費用負担、交通事故発生時の取扱いなどについて定めた「車両規程」を設けていると思われますので、必ず確認することをお勧めします。納得がいかない場合は、会社と交渉することになります。
ーー自動車を持っていないことを理由に、転勤を拒否することはできる?
この場合、労働者が被る不利益が「甘んじて受け入れるべき程度」を超えているかどうかが問題だとになります。労働者の事情によっては、配置転換を拒否できる場合もあります。
購入費用にしても、配転の問題にしても労働組合や弁護士などへの相談で対応できる場合は多々あると思います。疑問に思ったら、早い段階でご相談されることをお勧めします。
(弁護士ドットコムニュース)
【取材協力弁護士】
武田 健太郎(たけだ・けんたろう)弁護士
大学時代にサッカーで全国大会を二連覇し、その後、日本フットボールリーグ(JFL)でサッカー選手として活動しました。また、教員免許も取得しています。
現在は、労働問題の他、離婚・男女問題、交通事故、学校問題などの民事事件から、成人・少年等の刑事事件まで幅広く扱っております。
事務所名:武田健太郎法律事務所
事務所URL:https://www.bengo4.com/tokyo/a_13102/o_25762/