トップへ

山田孝之の登場に「仕事を選んだほうがいい」 『コンフィデンスマンJP』キャスト全員が迷走?

2018年05月08日 07:21  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 5月7日に放送された『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)第5話のタイトルは「スーパードクター編」。ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)たち信用詐欺師の3人が、野々宮総合病院理事長・野々宮ナンシー(かたせ梨乃)を騙すために闘いを挑む一方で、先週から発表されていた山田孝之の登場シーンが反響を呼んだ。


参考:【画像】長澤まさみが『コンフィデンスマンJP』第5話で見せた七変化!


 虫垂炎になったリチャードの手術を担当した野々宮総合病院の外科医・田淵安晴(正名僕蔵)は、医療ミスを犯したとして病院をクビになってしまう。彼は優秀な医師であったが、薄給に耐えかね他の病院に移ろうとしたところ、ナンシーの逆鱗に触れ、犯してもいないミスをでっち上げられたのだ。それを知ったダー子らは、このナンシーを次のターゲットとする。


 田淵の後任探しであたふたする病院に、ボクちゃんが医師に扮し潜り込む。「ボストンの名医の指導を受けた」というありもしない肩書きを持つ彼だが、もちろんオペなどできはしない。そこで彼は朝のラッシュで腕を怪我したと嘘をつき、さらにはナンシーが大病に侵されていると嘘を重ねる。茶髪のあからさまなカツラといい、ニヤけた表情といい、名医ではなく迷医である。


 白衣姿の東出と言えば、昨年WOWOWプライムにて放送され、後に劇場公開もされた『予兆 散歩する侵略者』でのあの佇まいが記憶に新しい。彼が神父に扮した『散歩する侵略者』のアナザーストーリーであるこの作品では、“新任外科医に扮した、地球外からやってきた侵略者”という奇異な役どころを見事に演じ上げた。侵略者というだけあって、当然彼の目的は地球の侵略であり、その抜群のスタイルの良さも相まって、内に闇を抱えたようなトリッキーな東出の芝居には、文字通りに目が釘付けになったものであった。


 そんな東出が今回演じたのが、“天才外科医に扮した詐欺師”ということに注目したい。これまたコミカルでトリッキーな芝居の連続で、“侵略者”のときとはもちろん違えど、やはりどこか浮世離れしたキャラクターにしっかりとハマる。とどまるところを知らない東出の進化の片鱗が、こういったところに垣間見えるのだ。


 ところで、今回の仰天ポイントは何と言っても、まさかの山田孝之の登場だろう。天才女医に扮したダー子が執刀して本当にナンシーの体にメスを入れ、コメディドラマとは思えぬ生々しい映像が続く。この手の映像が苦手な方で、途中でチャンネルを変えてしまった方もいるのではないだろうか。ところが実は、山田が演じる“ハリウッドで活躍する特殊造形師”・ジョージ松原の作品だったのだ。


 ニセ手術中の間、タイミング良く心臓を動かすボタンを押し続けていたジョージ松原が、手術台の下からひょこっと現れ、それを知らなかったボクちゃんだけが驚く。「僕は仕事は選ばない主義だから」とにっこり笑顔で言ってのけたジョージ松原に、ボクちゃんが「あんたは絶対に仕事を選んだほうがいい」と真正面から言い放ったセリフは、山田自身のことを言っているようでもあった。山田が全くおかしな風貌で本作に姿を見せたのは、放送終了のほぼ5分ほど前。手術室でダー子の助手役を務めていた五十嵐(小手伸也)が「こいつは、ジョージさんにしかできねぇ仕事だ」と言ったことも、ゲストとしてのこのような登場の仕方は山田にしかできないと当てはまっている気がした。


 『コンフィデンスマンJP』、次回のゲストには内村光良が登場予定。コメディである本作についに国民的お笑いスターの登場とは、もはやヤバい予感しかしない。はたまたどんなネタや罠を仕掛けてくるか、まだまだ予測不能な古沢良太脚本である。「抱腹絶倒」ではすまないだろう。


(折田侑駿)