IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ第4戦ミドオハイオは5月6日、オハイオ州のミドオハイオ・スポーツカー・コースで2時間40分の決勝レースが行われ、2018年シーズンからシリーズにフル参戦しているアキュラ・チーム・ペンスキーの7号車アキュラARX-05 DPi(エリオ・カストロネベス/リッキー・テイラー組)が初優勝。僚友の6号車アキュラ(ファン・パブロ・モントーヤ/デイン・キャメロン組)が総合2位となり、アキュラが参戦4戦目での優勝をワン・ツー・フィニッシュで飾っている。
2013年にALMSアメリカン・ル・マン・シリーズの一戦として開催されて以来、5年ぶりに北米最高峰のスポーツカーレースの舞台となったミドオハイオ。ホンダの北米ブランドであるアキュラが大会タイトルスポンサーに就いた今戦は、金曜のフリープラクティス(FP)から日曜の決勝まで、すべてのセッションでアキュラDPiがトップ2を独占。まさにアキュラ勢の独壇場となった。
そんな陣営は、決勝前日の5日に行われた予選で7号車アキュラのカストロネベスがポールポジションを獲得。僚友6号車アキュラのキャメロンが、総合3、4番手につけたマツダチーム・ヨースト勢を抑えて2番手となりフロントロウを独占する。
晴天のなか迎えた決勝ではレース序盤、2台のアキュラDPiを55号車マツダRT24-P DPi、77号車マツダRT24-P DPiが追いかける形で4台がトップを争いながらラップを重ねていくが、スタートから40分頃に始まったプロトタイプ(P)クラスの1回目のピットタイミングを機にカストロネベスからテイラーに代わった7号車アキュラが失速し、マツダ勢に先行を許してしまう。
しかし、2017年王者のテイラーはスタートから1時間を迎える直前に55号車マツダを捉えて総合3番手にポジションを上げると、20分後に迎えた2度目のピットではフロントタイヤのみの2本交換でピットアウト。ほぼ同じタイミングでドライバー交代を伴うフルサービスを実施した僚友6号車アキュラ、暫定2番手を走る77号車マツダのコース復帰後には総合首位に復帰してみせる。
その後、チェッカーまで残り40分となるのを前に最後の給油作業を行なったテイラー駆る7号車アキュラは、一時モントーヤがドライブする6号車アキュラに2秒以内に迫られるが、最終的に8秒あまりのギャップを築いてトップチェッカー。一度もセーフティカーが出動しない珍しい展開のなかで争われたミドオハイオ・ラウンドを制した。
総合3位はオリバー・ジャービスとトリスタン・ヌネスがステアリングを握った55号車マツダが入り、マツダチーム・ヨーストが今季初ポディウムを獲得。総合4位には前戦ロングビーチで2勝目を挙げたマスタング・サンプリング・レーシングの5号車キャデラックDPi-V.Rが入っている。
レース序盤に3番手を走行した55号車マツダは、スタートから1時間30分頃、混走するGTマシンと接触し足回りを損傷。これが原因でリタイアとなった。
GTル・マン(GTLM)クラスは4番手スタートのポルシェGTチーム、912号車ポルシェ911 RSR(ローレンス・バンスール/アール・バンバー組)が、最後のピットストップで給油量を少なくする戦略をとったBMWチームRLLの25号車BMW M8 GTEの追撃を1.673秒差で振り切り今季初優勝。コルベット・レーシングの3号車シボレー・コルベットC7.Rがクラス3位に入り、3メーカーが表彰台を分け合っている。
FIA GT3マシンで争われるGTデイトナ(GTD)クラスでは、フロントロウを独占した3GTレーシングの15号車、14号車レクサスRC F GT3がレースの3分の2を支配するも、15号車レクサスはレース終盤にペースが落ち優勝争いから脱落してしまう。
僚友15号車レクサスに代わってレース折り返しからクラストップに立った14号車レクサス(ドミニク・バウマン/カイル・マルセッリ組)も、直前まで30秒以上あった後続とのギャップが最終スティントには消滅。レース残り30分となったタイミングで、クラス2番手につけるマイケル・シャンク・レーシングの86号車アキュラNSX GT3との一騎打ちとなった。
14号車レクサスを駆るバウマンと86号車NSXのアルバロ・パレンテによるトップ争いは、ファイナルラップの最終コーナーまで続き、最後はレクサスが0.191秒差でトップフィニッシュ。参戦2年目の3GTレーシングにGTDクラス初優勝をプレゼントした。
クラス3位はポール・ミラー・レーシングの48号車ランボルギーニ・ウラカンGT3が獲得し、15号車レクサス、マイケル・シャンク・レーシングの93号車アキュラNSX GT3が同4位、5位に続いている。
IMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップ第5戦は6月1~2日、デトロイトのベルアイルでインディカーの併催レースとして行われる。同イベントにはPクラスとGTDクラスのみが出走し、レース時間は1時間40分となる。