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【アロンソ密着WEC編】5年ぶりに立つ表彰台頂点にご満悦。「ひと晩中ここに居たいくらいだ!」

2018年05月07日 00:01  AUTOSPORT web

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フェルナンド・アロンソにとってスパでの優勝は国際F3000以来、実に18年ぶり
“世界三大レース”のひとつであるル・マン24時間レースを制するため、TOYOTA GAZOO Racingに加入したフェルナンド・アロンソ。現役F1ドライバーにして二度のワールドチャンピオンのWEC参戦は、その発表前から大きな注目を集めてきた。そんなアロンソのWECデビュー戦、スパ6時間レースでの“大型新人”の戦い振りをお伝えする。

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 アロンソのデビュー戦として注目されたWECスパ決勝。彼が乗る8号車トヨタTS050ハイブリッド(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/アロンソ組)はポールポジションからスタートして、そのまま優勝。最後は1周遅れでスタートした僚友の7号車トヨタに追い詰められる場面もあったが、予想通りと言うか、お膳立て通りと言うか、とにかく辛くも逃げ切った。
 
 アロンソにとって世界選手権での優勝は、2013年のスペインGP以来ということで、表彰台では無邪気な笑顔。レース後にはその喜びを語っている。

「カートレースでは何回か勝っているけど、FIAの世界選手権で勝つのは、数年ぶり。前にスペインGPで勝った時には、まだフェラーリにいたよね。表彰台ではとてもいい気分だったよ。表彰台の上で、一貴とセバスチャンに言ったんだ。『一晩中ここにいたいぐらいだよ』って(笑)。『明日の朝、僕をピックアップしに来て。僕はここで寝ようと思っているから』ってね」

「今日のレースでは基本的に、僕らはすべてのラップでレースをリードすることができた。3回のセーフティカーランで、アドバンテージが帳消しになる場面もあったけど、最後までポジションを守って走り切ることができたよ。素晴らしい世界耐久選手権でのデビューだったと思うし、チームが素晴らしい仕事をしてくれたと思う。予選でも決勝でもワン・ツーだったんだからね」

「(中嶋)一貴とセバスチャン(・ブエミ)がライバルを引き離してくれたのも、僕を少し楽にしてくれたよ。パフォーマンス的に、僕らは少しトリッキーな状況にあった。スタート前からいいアドバンテージがあったから、決勝では少し保守的に行ったんだ」

「だけど、セーフティーカーの影響で、そのアドバンテージもなくなってしまった。保守的なアプローチだったから、僕らはコース上で一番速いというわけではなかったんだ。だから、最後まで戦わなくちゃならなくなったんだけど、チームが素晴らしい仕事をしてくれたよ」

■アロンソ「自信を持ってル・マンに臨める」

 今年1月にはアメリカのデイトナ・インターナショナル・スピードウェイでIMSAの24時間レースを経験したアロンソだが、その4分の1のレース時間である今回のレースも簡単ではなかったという。
 
「6時間レースというのは簡単に見えるかも知れないけど、ノンハイブリッドのクルマも序盤は速かったし、トラフィックも多くて、リスキーな瞬間がいっぱいある。何が起こってもおかしくないんだ。そのなかで、僕らは完璧なレースを実行しなければならなかったし、結果としてワン・ツーだったんだから良かったよ」

「冬の間にたくさんテストをして、シミュレーターもたくさんやって、チームも膨大な仕事をこなし、分析作業も進めてきた。そして、みんなが勝ちたいと思ってスパに来て、それを達成できたんだから最高の結果を残せたと思う。ル・マンに向けてウォームアップができたしね」

「そう。今回のレースはル・マンに向けての準備であり、テストでもあった。でも、実際のレースの状況のなかで、僕らは自分たちのクルマを試したかったんだ。レースではチームやドライバー、メカニック、すべてのスタッフにストレスが圧し掛かる」

「その中で得たワン・ツーという結果だから、僕らはル・マンに向けて準備がしっかりと整った思う。24時間レースは、今回よりももっとずっとタフだと思うし、色々なことが起こるだろう。だけど、できる限りの準備はできたと思うし、自信を持って臨めるよ」