FIA国際自動車連盟とWEC世界耐久選手権は5月5日、ベルギーで開催された2018/19年WEC第1戦スパ・フランコルシャン6時間レースにおいて総合2位表彰台を獲得したものの、暫定表彰式に現れなかったTOYOTA GAZOO Racingの小林可夢偉に対してペナルティを課したと発表した。
マイク・コンウェイ、ホセ-マリア・ロペスとともに7号車トヨタTS050ハイブリッドをドライブする可夢偉は4日の予選後に発覚した燃料流量計の管理ミスによってポールポジションを剥奪され、5日の決勝レースでは全車から1周遅れのピットレーンスタートを余儀なくされた。
それでも、圧倒的なスピードを誇るトヨタのマシンは、レース半ばに僚友の8号車トヨタに次ぐ総合2番手に浮上すると、終盤にはその差を6秒にまで縮め最終的に0.144秒差の総合2位でチェッカーを受けている。
そんな7号車トヨタをレース序盤から中盤にかけて3スティント連続でドライブし、同車のポジションアップに大きく貢献した可夢偉だったが、レース後の暫定表彰式にその姿は見られず。国内向けのライブ中継でもこの件が指摘されていた。
今回FIAから発表された公示によれば可夢偉は決勝終了後、レースエンジニアと問題について話し合いを行なっており、表彰式の控室に到着した際にはすでに式典がスタートして勝利チームに対する国歌演奏が行われていたという。
シリーズを統括するFIAでは、表彰式を全世界のテレビ視聴者やサーキットの観客に向けた重要なマーケティングイベントの一環として捉えており、トップ3フィニッシュを飾ったクルーの登壇は必須事項となっている。それゆえにこれに参加しないことは組織に対する背信行為にあたると考えられ、WECでもスポーティング・レギュレーション第4条9項に表彰式への参加を義務付ける旨が記載されている。
今回の可夢偉の表彰式不参加についてはFIAが処分について審問を実施。可夢偉には各ドライバーに与えられている累積ペナルティポイントの最大値12ポイントから2点を減点する処置と、FIAに対して1500ユーロ(約20万円)の罰金が課せられることとなった。