進学や就職を機に一人暮らしを始める人は多い。特に、地方出身で首都圏に通学・通勤する必要がある場合、実家を離れないという選択はほぼ不可能だ。
一方、首都圏に実家がある場合は、こうした節目で家を出る必要がない。家賃のかさむ都心でやむにやまれず一人暮らしをしている人にとって、首都圏に実家があるというのは羨ましい環境だが、実家暮らしには実家暮らしなりの悩みもあるようだ。
「都内まで1時間なのにせっまい部屋に金払う意味がない」
はてな匿名ダイアリーに4月下旬、「埼玉県南部住みはいつ実家を離れるのか」という投稿が寄せられた。投稿者は、タイトルの通り埼玉県南部に在住の社会人。川口市や蕨市、戸田市あたりが該当するだろうか。
投稿者は実家から都内に通勤しており、一人暮らしの経験はない。中学の同窓会に出席した際も、東京勤務の友人のほとんどが「家賃がめんどい」「実家がデッカイ一軒家で都内まで1時間なのにせっまい部屋に金払う意味がない」「金がない」などの理由で実家暮らしだったという。
こうした状況の投稿者が疑問に思っているのは、首都圏に実家を持つ人が一人暮らしをする時期だ。埼玉県南部や神奈川県横浜市や川崎市、千葉県から東京都心までの所要時間は、おおむね片道1時間以内。そのくらいの時間であれば、通勤の許容範囲内だ。投稿者は、
「実家を出るタイミングがわからない。実家暮らしってちょっと恥ずかしいんだが楽 (中略)実家が東京、埼玉、横浜の一軒家の人達、どのタイミングで実家離れしているんだろうか」
と質問した。
いつ家を出てもいいけど「家事は手伝いましょう。生活能力無い人が結婚すると配偶者が不幸」
投稿者の質問に対して、はてなブックマークでは「実家出てく必要ある?」「理由が『恥ずかしいから』程度なら特に出る必要はないと思うが」など、一人暮らしをする必要はないという意見が相次いだ。
「結婚するまでは実家でなくていいんじゃない?家賃の分貯金しとく方がいいよ」
「若いときから賃料等にまわす金を蓄財できるのは巨大なメリット」
お金がかからないという実家暮らしならではの利点をフル活用すべきという声が多かった。
ライフルホームズの記事によると、「一人暮らしで困ったこと」の1位は「貯蓄ができないこと」だという。試しに、CHINTAIで東京都にあるワンルームの家賃相場(2018年5月1日時点)を見ると、「大田区」や「世田谷区」が約6万6000円、「中野区」で約5万8000円。20代だと手取り額は20万円台と考えるのが妥当なので、その約3分の1を家賃に充ててしまうと、貯金をするゆとりがない。
多くは経済面から実家暮らし継続を勧める意見だったが、「家事は手伝いましょう。生活能力がない人間が結婚すると、配偶者が不幸になりますので…」と、アドバイスする人もいた。食事や洗濯など身の回りのことを親にしてもらっていると、どうしても、誰かにやってもらうのが当たり前になってしまう。「結婚するなら1回は一人暮らししといたほうがいい」という意見は的を射ているだろう。
とはいえ、やはり経済的にも環境的にも恵まれている首都圏実家暮らし家族仲が悪いなどの事情がない限り、自活に前向きになるのは難しそうだ。