マノー・ジネッタ、WEC開幕戦から撤退。LMP1は3台減の7台が決勝出走へ

ジネッタは5月4日、WEC世界耐久選手権のLMP1クラスに参戦するCEFC TRSMレーシングが走らせる2台のジネッタG60-LT-P1・メカクロームが、2018／19年開幕戦スパ・フランコルシャン6時間レースの決勝レースに出走しないことを確認した。
　
　ジネッタの発表した声明では、チームを支援するタレント・レーシング・スポーツ（TRS）からCEFC TRSMレーシングへ資金が渡っていないため、2台のジネッタがグリッドにつくことができなくなったと説明されている。

　3日から4日にかけて行われた計3回のプラクティスセッションのなかで、CEFC TRSMレーシングはコースを1周するだけに留まり、各セッションでタイム計測を行わなかった。また、4日の公式予選は2台ともに未出走に終わり、現地からの情報によれば、2台のマシンに搭乗する予定だったドライバーはすでにサーキットを後にしているという。
　
　そんな予選の終了直後に発表された声明は、「ジネッタに支払われるべき資金の支払い期限がしばらく前に過ぎた。中国のTRSが問題を整理するためにスポンサーと協力していることは理解しているが、資金が入らない限り我々はクルマをレースに参加させることはできない」と説明するものだった。

　なお、ジネッタとCEFC TRSMレーシングは今後も協力して活動することが確認されている。

■ル・マンへの参戦は？

　Sportscar365によれば、ACOフランス西部自動車クラブのスポーツディレクターを務めるビンセント・ボーメニルは、来月のル・マン24時間のエントリーについて「今回の件が影響を与えるか？」という問いに発言を控えたといい、ル・マンのエントリーはACO内のセレクション・コミッティの裁量に委ねられていると述べたという。
　
　一方、ジネッタは本件が“短期間のキャッシュ・フロー問題”であると捉えており、「（遅れている）資金の入金はル・マン以前に支払われるはずだ」と考えている。
　
　当初、合計10台で争われる予定だったLMP1クラスは、マノーの撤退によって8台に減少することが確定。さらに、予選で大クラッシュを喫したドラゴンスピードの10号車BRエンジニアリングBR1・ギブソンについても、修復が間に合わないものと考えられているほか、現時点でスターティンググリッドリストから漏れていることから欠場となる見込みだ。