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Little Glee Monsterが海外公演に挑戦する理由は? 単独アジアツアー発表を機に紐解く

2018年05月05日 12:21  リアルサウンド

リアルサウンド

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 Little Glee Monsterが、7月にアジアツアー『Little Glee Monster Asia Tour 2018 -juice!!!!! -』の開催を発表した。


 今回のツアーは、海外のプロモーターからのオファーを受けて実現したもので、彼女たちは7月14日に台湾、翌15日に香港にてライブを行うという。


(参考:Little Glee Monster、“様々な挑戦”が結実


 これまで2014年以降、中国・香港やアメリカ・サンフランシスコでイベント出演の経験はあるが、単独での海外ツアーは初めてのこと。このタイミングでの本格的な海外進出について、デビュー時から彼女たちを取材してきたライターの西廣智一氏は、アリーナツアーの成功が大きな要因ではないかと語る。


「デビュー時のインタビューから、彼女たちは世界という言葉を口にしていましたし、リスナーとしても洋楽も邦楽も分け隔てなく聴いているグループでした。しかし、イベントで海外に行くことはあっても、基本的には国内でしっかりと実力をつけながら、人気を高めてきた5年だったと思います。『NHK紅白歌合戦』への初出場やアリーナツアーの成功などを経て、国内での人気もさらに高まったこのタイミングだからこそ、さらなる試練である本格的な海外進出を決めたのではないでしょうか」


 近年はEarth, Wind & Fireやアリアナ・グランデといった大物の来日公演において、サポートアクトを務めてきた彼女たちだが、西廣氏はEarth, Wind & Fireのライブにおけるリトグリのパフォーマンスを見て、海外進出が楽しみになったという。


「Earth, Wind & Fireのライブは、80年代のディスコ・R&B・ソウルをリアルタイムで聴いてきた、年齢層の高い観客たちが多く、リトグリのライブが始まっても、様子見といった感じで見守るような雰囲気でした。しかし、彼女たちの得意とする洋楽メドレーを歌い上げて観客をぐっと惹きつけ、そこから自分たちの曲を披露すると、見事にお客さんたちがノリ始めたんです。もちろん彼女たちの実力あってのことだと思うのですが、ライブとしての持っていき方にも感心しましたし、海外向けのセットリストとしてもしっかり通用するものになっていて、ワクワクしたことを覚えています」


 また、リトグリの表現する音楽自体、近年の作品で洋楽のポップスへさらに接近していたことについても話してくれた。


「洋楽カバーは初期からやってきたことですし、2ndアルバムの『Catch me if you can』最新アルバムの『Get Down』など、全編英語詞のオリジナル曲にも挑戦していました。直近のアリーナツアーでは、“モータウンコーナー”と銘打って自分たちの楽曲をモータウン風にアレンジしたり、それらの楽曲とモータウンの名曲を繋げて披露していたりと、作品・ライブで海外のポップスへさらに接近しています。これから海外進出するにあたって、さらに世界の音楽を取り入れて行くのかと思うと、ますます楽しみですね」


 最後に、グループが2020年の目標に掲げる「ワールドツアー」などについても、いよいよ現実味を帯びてきたと同氏は述べる。


「彼女たちは、2020年の目標に『ワールドツアー』と『オリンピック開会式での歌唱』を掲げています。そのステージに立つためにも、まずはアジアの代表として広く認知されることが必要でしょうから、アジアから地盤を固めて行くというのは非常に納得ですね。まだメンバー最年少のmanakaさんもまだ高校生ですし、彼女が成人するくらいのタイミングには、世界の各地で名が知られているようなアーティストになっていることを期待したいです」


 今回のアジアツアーを機に、グッと近くなるであろう2020年の目標。その足がかりとなる公演を経て、彼女たちがどこまで成長するかにも注目だ。(中村拓海)