2018年05月05日 10:02 弁護士ドットコム
「チャンネル登録者の中から抽選で5名にニンテンドースイッチをプレゼント!」
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このような動画をYouTubeで見たことはないだろうか。チャンネル登録者を増すために、ゲーム機やギフトカードなどをプレゼントするYouTuberが目立っている。
プレゼントにかかった費用は、YouTuberにとってかなりの負担になりそうだが、一方で経費と認められるのであれば、節税にもつながりそうだ。
プレゼントの費用を経費にすることは可能なのか。小野郁子税理士に聞いた。
不特定多数の一般消費者に対する宣伝効果を意図した費用は、広告宣伝費として経費計上が可能です。チャンネル登録を増やすための抽選企画において、プレゼントの購入費用を経費計上すると、結果的に節税につながります。
ただし、当選者の詳細を記録して発送記録等も残しておく必要があります。なお、当選者が親族や友人だった場合は、個人的な費用とみなされ、経費計上はできません。また、取引先などが当選した場合は交際費となり、雇用している従業員が当選した場合は給与とみなされる可能性があります。
今度は、受け取る側の問題を考えてみましょう。
プレゼント企画で当選商品を受け取った場合、プレゼント代は一時所得として所得税の課税対象になります。もっとも、一時所得には50万円の特別控除がありますので、年間50万円以上の一時所得収入でなければ課税はありません。他に保険満期金などの一時所得があり、控除額をこえてしまう場合は、合わせて計算する必要があるので注意しましょう。
一時所得の金額は、総収入金額(注1)から、収入を得るために支出した金額(注2)と特別控除額(50万円)を差し引くことで算出できます。一時所得の税額は、その所得金額の2分の1に相当する金額に、給与所得など他の所得を足して、総所得金額を求めた後に計算されます。
(注1)総収入金額は商品券などの場合は券面額ですが、商品の場合は、通常の販売価額の60%相当額となります。
(注2)その収入を生じた行為をするため、又は、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額に限ります。なお、高額賞品の場合は、贈る側でも源泉所得税(50万円を差し引いた残額×10.21%)を納税する必要があります。
【取材協力税理士】
小野 郁子(おの・いくこ)税理士
港区品川駅の女性税理士。女性の税に関する専門家として、女性経営者の法人・個人の税務・確定申告・法人化の相談の他、クラウド会計や国際税務についてもサポート。
事務所名 : 小野郁子税理士事務所
事務所URL: https://sub.shinagawatax.com/
(弁護士ドットコムニュース)