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ホンダ陣営&バトン、富士で不発。「タイヤのピックアップが起きて、ポジションを失ってしまった」

2018年05月04日 23:51  AUTOSPORT web

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第2スティントを担当したRAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトンだが、タイヤのピックアップに悩まされた
スーパーGTにレギュラー参戦して2戦目を迎えたRAYBRIG NSX-GTのジェンソン・バトン。元F1チャンピオンの肩書きよろしく、開幕戦では見事2位表彰台を獲得したものの、第2戦富士での500kmではさまざまな苦難に遭うことになった。バトンが第2戦富士を振り返る。

 悪天候の影響で予選日が30分の練習走行、そして20分の計時予選方式となり、予選を担当しないドライバーは実質、1周も走ることがないまま予選日を終えることになった。RAYBRIGは山本尚貴が予選を担当し、バトンは決勝直前のウォームアップが第2戦で初めての走行となり、わずか9周でレースを迎えることになった。いくらレース経験が豊富とはいえ、慣れないスーパーGTでわずか9周でレースを迎えるのに、不安はあったのだろうか。

「もちろん、走行時間は多いとは言えなかったからね。ナオキが予選を走ることになって、その前の練習走行でうまくクルマを仕上げたかったんだけどね。たしかに9周は多くないけど、富士はホンダ勢にとっていつもタフなサーキットで、僕たちは30kgのウエイトハンデも積んでいるので難しいラウンドになると思っていた。でも今回も2ポイント獲得できたので、次の鈴鹿につなげられたかな思う」

 レースのスタートは山本尚貴が担当。第1素ティントでは10番手スタートから6番手まで順位を上げることができた。バトンはその山本をどのように見ていたのか。

「第1スティントのナオキはとてもいい仕事をしてくれたよ。その後の僕のスティントでは12号車(カルソニック IMPUL GT-R)の競争力がとても高くてペースも速かった。あとは他のクルマも速かったので、ポジションを失ってしまった。第3スティントはナオキが担当したけど、僕のスティントの時と同じでペースが少し落ちてしまったけど、それにしてもナオキの第1スティントは良かったね!」

 その言葉どおり、2スティントを受け持ったバトンだが、アウトラップで8号車ARTA NSX-GTにオーバーテイクを許してしまった。

「コールドタイヤでのアウトラップは難しかった。8号車が僕たちより早くピットストップしたので、温まったタイヤと戦うのは特に難しかった。その後もずっとタイヤのピックアップ(タイヤかすが取れずに自分のタイヤに装着したままになってしまいグリップが低下してしまう現象)があった」

「単独走行ではそんなにピックアップは出ないと思うけど、レースではとにかく多くのマシンが走っているからね。ナオキのラストスティントも同じで、第2~3スティントは酷かった。気温が下がったことで起きたのだと思う」

「特に第3セクターでグリップが足りなかった。もちろん、僕たちは30kgのウエイトハンデを搭載していたということもあるけどね。30kgだよ、実際に持ってみたら、その重さを実感できるはずだよ!」

 そんな厳しい状況でも、バトンは同じNSXの8号車、16号車(MOTUL MUGEN NSX-GT)との1コーナーを起点にサイド・バイ・サイドになりつつ、レースを盛り上げた。

「バトルはもちろん、楽しかったよ。彼らに抜かれてしまったのは残念だったけど、いい戦いができたし楽しめた。彼らはウエイトハンデがないので、僕たちの30kgのウエイトハンデが効いたかな。でも、最終的にはその8号車と近くでフィニッシュできたのでオッケーじゃないかな」

 第2戦富士は9位フィニッシュで2ポイント獲得。まだ2戦ながらドライバーズランキングは3位と好位置で、2週間後にはすぐ、第3戦鈴鹿が開催される。

「もちろん、次もターゲットは勝つことでなきゃいけないよね。鈴鹿の事前テストでは速やかったし、とにかく、レースでは速さを見せていく以外にない。今回のような問題(ピックアップ)が出ないといいね。鈴鹿はハイスピードコーナーが多くてダウンフォースが必要なサーキットだから、僕たちの方がコンペティティブだと思うよ」