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メルセデスF1、ボッタスのリタイア原因となった破片に気づくも無線での指示が間に合わなかったことを明かす

2018年05月04日 11:11  AUTOSPORT web

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デブリを踏んでパンクしたボッタスのマシン
F1アゼルバイジャンGPでのバルテリ・ボッタスは、コース上のデブリによってレースを終えることになった。メルセデスのクルーは破片の存在に気づいたものの、そのタイミングは遅すぎたという。

 最後のリスタート後、レースをあと2周残す時点でボッタスは首位を走行していたが、彼のマシンはカーボンファイバーの鋭利な破片を踏み、右のリヤタイヤがパンクしてしまった。

 メルセデスF1チームは、それまでに起きた何度かのインシデントによってコース上にデブリがある可能性を警戒しており、ルイス・ハミルトンとボッタスの両名に注意を促していた。

 しかしながらひとかけらのカーボン片が見逃されており、メルセデスのピットウォールがその破片に気づいたときには遅すぎた。

「我々にはデブリが見えていなかったので、彼に警告していなかった」とトラックサイドエンジニアを務めるアンドリュー・ショブリンは、メルセデスの公式動画で述べた。

「我々が最初にデブリに気づいたのは、彼がバンプを越えていくときだった。それが彼にも見えていなかった理由だ」

「彼がデブリに向かっていくのが見えていたが、それは0.5秒から1秒の間のことで、無線でコース上にデブリがあると伝える時間はなかった」

「もしデブリが見えていたら警告していただろう。他のアクシデントについては、多くの周回でそうしていたのだから」

「我々はドライバーたちがデブリを避けられるように、コースのきれいな部分へ導こうとしていたのだ。残念ながら今回はすべてが遅すぎた」

「バルテリにとっては本当に残念なことだった。彼は週末を通して素晴らしい走行をしており、レースをしっかりとまとめ上げていたのだ」

 インシデントが起きる可能性が大きく、周回を追うごとにセーフティーカー導入のチャンスは高まっていた。そのため、メルセデスはできる限りボッタスをコース上に長くとどまらせる作戦を採っていた。

「まさにそうなることを期待していた。ここはバクーだ。セーフティカーが導入されるチャンスは非常に高い」とショブリンは言う。

「セバスチャン(・ベッテル)がピットに入ると彼はこのウインドウから外れ、かなり我々の後方になる。我々がセーフティカーかVSC(バーチャルセーフティカー)出動時にピットストップを行なってピットロスを短くすれば、実際にレースの首位に立てる可能性があった」

「彼ら(フェラーリ)はそれを望んではいないだろうが、これも実際に行なわれる戦略のひとつだ」

「レースをコントロールするのは非常に難しいことだ。アンダーカットしようとするライバルを阻止しなければならないが、セーフティカーの問題もあって両立は不可能だ。2番手のドライバーにとっては、チャンスが生まれる場面となる」

 メルセデスのテクニカルディレクターを務めるジェームズ・アリソンは、メルセデス陣営のなかでも日曜午後に複雑な心境を抱えていたひとりだ。

「3戦が終わった後に初めて優勝できるチャンスを掴んだ。バクーで我々が勝利を飾れたのは素晴らしいことだ」とアリソンは述べた。

「レースが終わり、ルイスについては喜んでいるが、バルテリについては同じくらい悲しく思っている」

「ふたりとも素晴らしいパフォーマンスを発揮していたが、セーフティカーの後でバルテリがデブリを踏み、目前だった1-2フィニッシュの可能性が最後の瞬間に消え去ってしまった。我々にとっては大きな打撃だった」

「彼がもっと良い結果を出せるはずだったレースは2戦あった。この先は彼にとって良い状況になると確信している」