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GT300予選《あと読み》:予選はアテにならない? 予想外の濃霧が決勝にも波乱を呼ぶか

2018年05月04日 10:41  AUTOSPORT web

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第2戦富士の予選は、通常のノックアウト方式ではなく、20分間の計時方式で争われた
これまで例年晴れの印象が強かった、ゴールデンウイークのスーパーGT第2戦富士。関係者の多くが「珍しいよね」という雨と霧が、予選日の混乱を生むことになってしまった。

 すでにニュース等でも既報のとおり、予選日午前の公式練習は立ちこめた霧によってディレイに次ぐディレイで、最終的にそのまま中止に。午後に30分間の公式練習が急遽設けられたものの、各陣営とも予選に向けたショートランしか行えない状態となってしまった。

 そんななか、ポールポジションを獲得したのはARTA BMW M6 GT3。これまでもこのマシンは富士を得意中の得意としており、「ここは逆にポールを獲るのが当たり前……と(鈴木)亜久里さんから言われるくらい」と高木真一は語っている。

 その隣、2番手につけたのは意外と言っては失礼だが、これまで富士を苦手としていたSUBARU BRZ R&D SPORTだ。僚友の井口卓人の走りを見守った山内英輝も「正直ビックリしたところもあります。井口選手のアタックも、スバルさん、STIさんも頑張ってくれましたし、鈴鹿で感じた部分を直してくれたのが大きい」という。

「ストレートは苦手でしたが、セクター1も速かったので、すごく改善されているのは感じますね」

 以下のグリッドは、LEON CVSTOS AMG、グッドスマイル 初音ミク AMGとメルセデス勢が続き、シンティアム・アップル・ロータス、SYNTIUM LMcorsa RC F GT3、TOYOTA PRIUS apr GT、GAINER TANAX GT-R、D'station Porscheと見事なまでにタイヤメーカーと車種特性がバラバラだ。ちなみに、D'station Porscheは今回本命の1台だが、開幕戦で2位表彰台を獲得したことによるウエイトがやや効いている様子だ。

 今回の予選では、気温のレンジに合ったタイヤを持っているマシンが上位に来たことが考えられるが、では決勝はどうなるのか。予選終了時点での予報では晴天に恵まれそうではあるが、「正直全然予想がつかない」というのがほとんどの声だった。

 長丁場の500kmということもあり、戦略もさまざまなものが予想される。2回のピットストップのうち、1回を無交換で来るチームもあるかもしれない。ただ、いずれにしろ各陣営ロングランがまったくできておらず、それゆえ「予想がつかない」のだ。

 予選で上位に来たチームも選択したタイヤによっては大いに苦しんだり、逆に下位のチームが決勝の後半にいつの間にか前へ……ということもありそうだ。これほど予選順位があまりアテにならなそうな雰囲気のレースも珍しいかもしれない。

 また、長丁場ということはそれだけ不確定な要素も多い。これにいかに順応するかが重要なポイントになるだろう。いずれにしろ、今回の予選でもそうだったが、変わりゆく状況のなかでいかに的確に対応できるかというチーム力がカギになるだろう。