4月30日にインディアナポリス・モータースピードウェイでインディカー・オープンテストが開催。21台が走行を重ねAJフォイト・レーシングのトニー・カナーンがトップスピードを記録した。昨年のインディ500王者佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は、89周を走行し15番手だった。
インディカーは序盤の4戦を終え、いよいよインディアナポリス・モータースピードウェイでの2戦を迎える。来る“マンス・オブ・メイ”に向けて各チームがオープンテストに挑んだ。
これまでロード/ストリート、ショートオーバルでのレースを終えているが、新エアロでのスーパースピードウェイで走行は今回が初めて。各チームは新しいパッケージのニュアンスを確かめるように、単独で走行したり、小さなパック集団で走行したりと積極的に走行を重ねた。
2回の走行セッションで総合トップに立ったのは、今季最年長ドライバーで2013年ウイナーのトニー・カナーンだ。
226.181mphを記録したカナーンは、「毎年、僕たちが初日にインディアナポリスに戻ってくると、誰もが大きな笑みを受かべて迎えてくれる。それが大好きだし、この場所が大好きなんだ。まるで魔法のようだね。すべてのレースでこれができるといいね」
「素晴らしい一日だったよ。多くの周回を重ねられて、多くを学ぶことができた」とカナーン。前のクルマのドラフティングのない単独走行でもトップとなる223.240mphを記録し、インディ500へ向けて順調なスタートを切った。
総合2番手はチーム・ペンスキーのシモン・パジェノー。108周を走行し225.910mphを記録している。
総合3番手はセッション1でトップだったマルコ・アンドレッティ。セッション2でもタイムを更新し225.637mphを記録した。ここ数年インディ500で強さを見せているアンドレッティ・オートスポート。チームメイトたちは下位に沈んだものの、今年も速さを見せそうだ。
インディカーからスポーツカーに転向したエリオ・カストロネベス。インディアナポリスのレースにスポット参戦する彼も4度目のインディ500制覇へ向けて、109周と積極的に走行を重ね224.673mphで総合10番手に入った。
「素晴らしい帰還だよ。とってもクールだね。古いおもちゃで遊んでいるような感覚だ。インディカーに戻ることは本当に素晴らしいんだ。20年ずっとやってきたからね。“これ覚えている!”って感じさ」と上機嫌にカストロネベスはコメント。
昨年、日本人初のインディ500制覇という快挙を達成した佐藤琢磨。2001-2002年のカストロネベス以来のインディ500連覇へ向けての初走行となったセッション1では、アンドレッティに次ぐ2番手のスピードをマーク。
セッション2でもスピードアップしたが、223.510mphで総合15番手に留まった。
「とてもプロダクティブな一日でしたね。インディアナポリス・モータースピードウェイで新しいスーパースピードウェイ用のパッケージを学ぶのは初めてでした」
「インストレーションラップをした瞬間は、昨年のインディ500がフラッシュバックしてきましたね。天気も素晴らしかったし、かなりの方向性を試すことができた。グラハム(レイホール)にとっても僕にとってもハッピーでしたね。良いデータをたくさん集めることができましたよ」と琢磨はコメントしている。