リサーチ・アンド・ディベロプメントは4月26日、「仕事に対する考え方」についての調査結果を発表した。調査は昨年10月に実施し、20~59歳の有職者1719人から回答を得た。
仕事に対して「力を入れる」と回答した人は2007年(62%)から2017年(56.8%)の10年にかけて5.2ポイント減少。一方、仕事に対する「満足」の割合はこの10年間35%前後を推移し、大きな変化は見られない。
6割が「努力しても報われない」 仕事に力を入れない・満足感がない人が4割
「力の入れ方」と「満足度」をかけ合わせてみると、「仕事に非注力・満足度【低】」が34.6%と最も多い。10年前は「仕事に注力・満足度【低】」(32.9%)が最多だった。
詳しく見ると10年前と比べ、「組織に属している方が安心」(73.4%、7.7ポイント増)、「仕事はお金を得るための手段」(87.1%、5.9ポイント増)、「仕事よりプライベートな生活の方が大切」(70.4%、3.3ポイント増)などの意識を持つ人が増加。
一方、「自分のオリジナリティを発揮できる仕事をしたい」(59.5%、13.3ポイント減)、「いずれは独立して商売や事業を起こしたい」(25.5%、7.6ポイント減)、「人々や社会に貢献できる仕事がしたい」(66.6%、6.2ポイント減)などは減少した。
また「努力しても報われない」と回答した人は10年前(55.2%)から上昇傾向にある。アベノミクス発表後の2013年(57.7%)で一旦減少したものの、2017年は61.4%となった。努力志向についても「あくせくしないでのんびりやりたい」(69.2%)が5ポイント増となった。
この10年で「保守的」「実利的」な働き方を求める傾向に
常識については「常識にとらわれずに色々な考え方が認められるようになるべき」がこの10年で14.5ポイント増加し、37.9%。一方、「最近の世の中は物事の常識や節度が失われすぎているように思う」は14.7%減の61.7%となった。
同社はこの10年の働き方について「『保守的』『実利的』な方向に向かっている」として、他にも「没個性」「情熱の弱まり」「多くを望まない意識』に変化が起きていると見受けられると指摘し、
「仕事のあり方として、『出世することが成功』であるとか、『昼夜問わず仕事に没頭するハードワーク』がある種良しとされていた考え方は、前時代的なものになってきたと言えるでしょう」
とコメントしている。