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WTCR:第2戦ハンガリーでFK8型ホンダ・シビック・タイプRがシリーズ初優勝

2018年05月01日 17:51  AUTOSPORT web

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スタート直後の判断で、見事にWTCR初勝利を飾ったヤン・アーチャーのFK8ホンダ・シビック・タイプR
FIA WTCR世界ツーリングカー・カップの第2戦が4月27~29日にハンガリーで開催され、地元の大歓声を受けポールポジションからスタートしたノルベルト・ミケリス(ヒュンダイi30 N TCR)を差し置き、22歳のヤン・アーチャー(ホンダ・シビック・タイプR TCR)がホンダ勢に初優勝をもたらした。レース2ではロブ・ハフ(フォルクスワーゲン・ゴルフGTI TCR)が、続くレース3ではガブリエル・タルキーニ(ヒュンダイi30 N TCR)が勝利を挙げ、タルキーニは今季3勝目を記録している。

 世界随一のツイスティな特性を持つハンガロリンクを舞台に開催された、TCR規定マシンの祭典、WTCR第2戦はWTCC世界ツーリングカー選手権時代から地元の大声援を受けて活躍を演じてきたミケリスが堂々のコースレコードでポールを獲得。今季、TCR規定のシリーズで猛威を振るうヒュンダイi30 N TCRのスピードを見せつけるとともに、土曜のレース1に向け期待の高まるパフォーマンスを披露した。

 しかしそのスタートの1コーナーで首位に躍り出たのは、フロントロウ2番手から飛び出したエステバン・グエリエリ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)だった。

 地元ヒーローを抑え込んで右コーナーにターンインしたグエリエリだったが、続く左旋回の2コーナー進入で“ハンガロリンク攻略法”を知り尽くしたミケリスが逆襲に転じ、2台はサイド・バイ・サイドでコーナーへ。

 タルキーニを混じえて軽くコンタクトを繰り返しながら並んでバトルを繰り広げた3台は、わずかに立ち上がりで車速が鈍ったところ、その間隙を逃さずにグエリエリのチームメイトであるアーチャーがトップへとおどり出る。

 これにより僚友グエリエリは2番手に後退、続く3番手にはアーチャーの叔父であり、自らのチームを率いてシリーズに参戦するイバン・ミューラー(ヒュンダイi30 N TCR)が浮上。ミケリスは一瞬にして4番手までドロップすることとなった。

 首位アーチャーと2番手グエリエリのミュニッヒ・モータースポーツ編隊は、開幕戦モロッコで圧倒されたヒュンダイとのパフォーマンス差を覆すかのように、後続とのギャップをみるみる広げていく。

 そのFK8型シビック・タイプR勢の背後では、ミューラーがミケリスとヒュンダイ同士のバトルを展開し、執拗なブロックでポジションを堅守したが、ファイナルラップ目前の11周目、ついに最終コーナーからの攻防で車速を乗せインに飛び込んだミケリスが、ターン1で3番手奪還に成功した。


 そのまま12周のレースはチェッカーとなり、アーチャーがWTCR史上最年少ウイナーとなり、2位にチームメイトのグエリエリが続きミュニッヒのFK8シビックが見事なワン・ツー・フィニッシュ。

 3位表彰台にミケリスが続き、4位にミューラー、そして5位にはスタートでの素晴らしいジャンプアップからタルキーニ、ダニエル・ナジー(ヒュンダイi30 N TCR)をかわしたハフのゴルフGTIが入った。

 明けた日曜の午後から開催されたレース2は、午前の予選でトップタイムを記録したワイルドカード枠参戦のM1RA、アッティラ・タッシ(ホンダ・シビック・タイプR TCR)がトラックリミット違反でタイム抹消の憂き目に合うなか、ハフが見事に今季初ポールを獲得。

 レースでもホールショットを決めると、盤石のマネジメントでポール・トゥ・ウイン。2012年のWTCC王者が早くもWTCR自身初勝利を飾って見せた。

 続く2位にはフロントロウから終始ハフに食らいついた地元ワイルドカード枠のナジーが入り、最後の3位表彰台には5番手スタートからジャンプアップを決めたミューラーが続いている。

 そして最終ラウンドとなるレース3では、午前の予選で週末2度目のポールポジションを獲得したミケリスが、フロントロウのチームメイト、タルキーニとの壮絶なマッチレースを展開。

 セーフティカーや降雨による赤旗中断を経た荒れた展開のなか、最後は鼻先のコンマ3秒差でフィニッシュラインに先行したタルキーニが逆転で今季3勝目をマーク。2位ミケリス、3位ミューラーと続くリザルトとなった。

 これでタルキーニは6戦3勝でポイントリーダーの座を堅守。ランキング2位には36ポイント差で、オープニングレース勝利を飾ったアーチャーが浮上している。

「(ランク3位につける)叔父の5ポイント前だから、悪くないポジションだ」と、笑顔で週末を振り返ったアーチャー。

「この週末は本当に重要だった。開幕モロッコのペースは悪くなく、だからこそそれがフロックでないことを証明しなくてはならなかった。レース1で勝てて、その疑念を晴らせたのが最高だった」

 アーチャーは週末のファステストラップに贈られるトロフィーも獲得。FK8型シビック・タイプRのレースペースの力強さを示してみせた。次戦第3戦は5月11~13日、ドイツにある世界的コース、ニュルブルクリンクを舞台に開催される。