4月27~28日に開催されたポルトガル・ラリー選手権のラリー・デ・モルタグアで、TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジプログラムに所属する新井大輝(フォード・フィエスタR5)が総合優勝を飾った。また同プログラムに所属する勝田貴元(フォード・フィエスタR5)も総合3位表彰台を獲得している。
ポルトガルのグラベル(未舗装路)を中心に争われたラリー・デ・モルタグア。新井と勝田は同国で5月17~20日に開催されるWRC世界ラリー選手権第6戦へ参戦を予定しており、今回はその予行演習も兼ねての出走となった。
新井は現地金曜夜に行われたターマック(舗装路)ステージのSS1~3を総合4番手で走り切ると、翌土曜日のグラベルステージ、SS4でトップタイムを記録して総合首位に浮上する。
午後には激しい雨が降るなかでの走行を強いられたが、新井は合計5SSでトップタイムを記録するなど圧倒的な走りをみせ、最終的に総合2位に1分2秒6の大差をつけて総合優勝を果たした。
「優勝できてとてもうれしいです。午後のループで集中豪雨が発生し、滑りやすい道路で課題に直面し、決して簡単ではありませんでしたが、次戦でもまさに起こりうる状況なのでよい練習になりました」と新井。
「金曜日の夜のステージは少し難しかったですが、土曜日からのグラベルではすぐに自信をもって走行できました」
「ラリー前のテストではミッコ・ヒルボネンの運転する車両に同乗し、多くのアドバイスをもらい、リードをどのようにキープするかを学びました」
「土曜日の午後のループが終わった時点ですでに40秒のリードがあったので、2位とのタイム差を管理しながら走行することができました」
■ラリー・スウェーデンWRC2覇者の勝田貴元はパンクの不運も総合3位獲得
チームメイトの勝田はSS4終了時点で新井と12.4秒差の総合2番手につけていたが、続くSS5で岩にヒットして左フロントタイヤがパンク。総合4番手までポジションを落としてしまう。
しかし、続くSS6でステージトップ、SS7でステージ2位に入る走りでポジションをひとつ上げ、総合3位でフィニッシュした。
走行後、勝田は「パンク自体はとても残念でしたが、なんとかゴールまでクルマを持っていくことができたのはポジティブな点でした。また、直後のステージではトップタイムを獲ることもできました。以前ならアクシデントのあと落ち着いて対応できなかったので、成長を感じることができました」とラリーをふり返っている。
新井と勝田が挑む次の戦いは、WRC第6戦ポルトガル。今回のラリー・デ・モルタグアで得た経験をもとにWRC2クラスでの戦いに身を投じる。