キリンビバレッジ公式ツイッターの呟きが炎上している。ツイートは「午後の紅茶」のPRキャンペーンとして行われたもので、4月26日に投稿されていた。
「みなさんの周りにいそうな午後ティー女性をイラストレーターの〇〇さん(注:編集部伏せ字)に、描いてもらっちゃいました!確かに、私の周りにもいる…かも!?」
という文言と共に、午後の紅茶を購入した女性を茶化すイラストが4枚掲載されていた。「いると思ったらRT」「私だと思ったらFav」のハッシュタグも使い拡散を目論んでいたようだが、当初の目標とは違った形で注目を集めてしまった。
「客をディスって客が増えるわけないだろ」
イラストにはそれぞれ「モデル気取り自尊心高め女子」「ロリもどき自己愛沼女子」「仕切りたがり空回り女子」「ともだち依存系女子」と名前がつけられ、説明が書かれている。「モデル気取り自尊心高め女子」は、ストライプのシャツに黒のプリーツミニスカートの出で立ち。ブランドのショルダーバッグをかけ、
「目立っているのをわかっているので肌や髪にめちゃくちゃ気をつかっている」
「太ってないのに太ったと連発する」
「ブランドのショッパー(くりかえし使っている)」
と揶揄。「ロリもどき自己愛沼女子」は「すこし風が吹くとすぐ鏡でヘアメイクチェックする」、「パステルカラーってかわいいから大好き」「動画チャンネルで研究したアイドル風前髪」などの説明が加えられていた。
ネットでは、イラストと説明文を読んだ人から「客をディスって客が増えるわけないだろ」「なんでこれがうけると思った?正気か?」と批判が噴出。該当ツイートは5月1日午前10時に削除され、アカウントは
「この度、キリンビバレッジ公式アカウントにおける午後の紅茶の投稿について、お客様にご不快な思いをおかけし大変申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。 多くのお客様からのご意見を受け投稿を削除いたしました。今回いただいたご意見を真摯に受け止め、今後の活動に活かして参ります」
と謝罪した。
ツイートでは、イラストレーターの名前とツイッターアカウントも紹介されていたため、ネットではイラストレーターへの批判も出ている。しかし、絵の作者は元々、イラストとキャプションで絶妙に「イラッ」とさせる女性を描くことに定評がある人だ。そのため、
「自虐ネタなら成立するやつ(若い女子同士で言い合うならアリのネタ)を、ただ面白いネタと勘違いして大企業の看板でやってしまった感じだなと」
と、キリンビバレッジ側の人選ミスであるという指摘も多数出ていた。
キリンビールは「のどごし生」PR動画で批判受ける
キリンビバレッジの炎上は過去にも例がある。2016年、アスタリフトウォーターの販促の一貫で、漫画「東京タラレバ娘」とのコラボPRサイトを開設した際には、漫画に出てくるキャラクターが、
「女が年を重ねるにつれて知っておいた方がいいことをわざわざ教えてやろうっていう超・超・親切企画タラ!」
「この類のことは、いつ始めてもおかしくないレバ。というか、先延ばしにすればするほどあとで自分が後悔するだけレバ」
と語りかけていた。漫画の文脈を汲まず、女性に若々しくあり続けよというメッセージだけを発信する内容が、「脅迫系PR」と問題視されていた。
また、キリンビールは同年「のどごし生」の販促で「缶になってみた。」というPR動画を公開。ビール缶の視点で女性の一人暮らしを覗き見られる動画だったが、盗撮のようだと批判を浴びていた。