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スーパーGT:第1戦制したKEIHIN小暮卓史「17号車は例年とは違う感じ」

2018年05月01日 11:21  AUTOSPORT web

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スーパーGT第1戦岡山を制したKEIHIN NSX-GTの塚越広大と小暮卓史
4月27日(金)に発売されたautosport No.1480から、スーパーGT第1戦岡山を制したKEIHIN NSX-GTの塚越広大、小暮卓史による対談企画を一部抜粋してお届け。

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──優勝から1週間。祝勝会はやりましたか?
塚越広大:元々予定していた食事会が自然と祝勝会になりました。今回のテスト(開幕戦から1週間後の鈴鹿)もあったので、そんなに浸っていられる時間はなかったですね。それに僕らも初優勝ではないので、思ったよりこの1勝で人生が変わる感じはないです。

小暮卓史:数日前に広大から電話がきて「人生変わりましたか?」と聞かれました。「まだ変わっていないかな」って答えました(笑)。

──とはいえ優勝は小暮選手が5年ぶり、塚越選手が8年ぶりです。
塚越:やっと勝った。うれしい気持ちももちろんあるんですけど、ここまでつらいことが多過ぎたから、なんて表現すればいいのか……。

小暮:昨年勝てるレースがいくつもあったのに勝てなくて「やっと勝てた」という感じはしますよね。

──今季開幕までのお話を聞かせてください。18モデルをセパンテストで乗っての第一印象どうしたか。
塚越:僕が昨年の12月に行って、小暮さんが今年の2月、一緒には行ってないんです。セパンで乗った研究所の99号車(HRD SAKURA所有の開発車両)はベースセッティングが僕らの17号車とはかなり違っていて、けっこう乗りにくかったんです。

小暮:いつも乗っているクルマとハンドリングバランスが違って、僕も簡単じゃないなと思いました。18モデルだからというよりまだ煮詰める前の段階だったので。

──具体的にはどう違うのですか。
塚越:僕はリヤの感触がつかみにくく感じました。タイムを出そうと思うと滑るのか滑らないのか、そういう感じがつかみにくくて……。

──18モデルの17号車(KEIHIN NSX-GT)で走り出してからはいかがでしたか。
塚越:国内で行なわれた1回目のメーカーテストは17モデルだったので、2月の岡山からですね、18モデルの17号車に乗ったのは。セパンのときほどリヤの不安感はなかったけど、空力的にすごく敏感な部分が多い感じがしました。14年規定以降、NSXはけっこう跳ねるんですけど、17モデルはちょっと収まっていました。18モデルはそれがまた出てきた部分もあります。あとちょっとリヤが軽くなる。エアロのパッケージはそこから大きく変わらないという話だったので、どうセッティングを煮詰めるかという感じでした。

小暮:僕も跳ねは18モデルで強くなりだした印象。本当に微妙なところで上下動があって、それも含めて乗り味も18モデルの特性というか……。ちょっとリヤが軽かったり、フロントの抜けがあったんですけど、それでも1周回ってくるとタイムはそこそこ出ている感じでしたね。

──エンジンはどうでしょう?
塚越:エンジンは速くなった。全域で感じます。

小暮:力が出ましたね。

──体感できるってすごい進化ですね。18モデルはフロントのダウンフォースが高いのですか?
小暮:あるところまでは(フロントが)入るけど、途中から抜けちゃう。

塚越:ピークは高いけど、ピークに上手にいる方法、ピークを維持する方法が発見しきれていない感じですね。

──自分たちの感触のわりにはタイムシートの上位にいるという感じ?
塚越:そうですね。自分たちの感じとしてはもっとまとめなきゃいけないんだけど、順位としてはわりと上位だったから、これが本当なのか、それとも違うのかという不安がありました。

──とくにロング(レース想定の連続ラップ)に課題があったとか?
塚越:ロングはダメでした。テストでいろいろ試してみたんですけど……。いままで17号車って一発は出なくてもロングはいつも調子がいい傾向だったんですけど、今年はロングの課題が残っている感じがします。

小暮:例年とは違う感じがしますよね。17号車。

──意図的に今年は一発を狙いにいっている?
塚越:17年までのやり方とかクルマの方向性を変えたというのはない。それでもロングに関してはいまひとつうまくタイムが出ない状況ですね。開幕戦もポールスタートだったけど、そこからどうなるか不安はありました。

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 塚越×小暮の対談企画のほか、2016年までのスーパーGT500クラスを戦ったレクサスRC F、現行車両のレクサスLC500を比較検証する『GT500 Before&After』など、GTファン必見のauto spot No.1480は全国の書店などで発売される。