F1アゼルバイジャンGPの週末、レッドブル・レーシングとホンダが2019年のパワーユニット供給についての初めての会談を行ったことは既報のとおりだが、山本雅史モータースポーツ部長が今回の会談について前向きな発言を行ったと伝えられている。
2015年にマクラーレンと提携してパワーユニットマニュファクチャラーとしてF1に復帰したホンダは、2017年末で同チームとの契約を終了、2018年からはトロロッソと組んでF1活動を行っている。
トロロッソの姉妹チームであるレッドブル・レーシングは長年のパートナー、ルノーとの契約が今季末で切れる状況にあり、2019年以降に向けて契約をさらに延長するのか、他のパワーユニットにスイッチするのかの決断をしなければならない。
この期限の目安となるのは、パワーユニットマニュファクチャラーがFIAに来季パートナーについて報告しなければならないと規則で定められている5月15日であり、ルノー側はこのころまでにレッドブルの決断を知りたいと述べている。
レッドブルはルノー以外の選択肢としてホンダを挙げ、今季のパフォーマンスを評価していきたい考えだ。そんななか、アゼルバイジャンGPの週末に、レッドブルとホンダの初めての正式な会談が行われた。
今回は、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコとホンダの山本モータースポーツ部長が話し合いを行った。山本氏は、F1.comに対し、今回の会談について次のように語った。
「初めての会談なので、それぞれの側が希望する条件について話し合いました。互いに相手に何を期待するかといったことです」と山本氏。
「ポジティブな会談でした。どちらも満足できたと思います。今、彼らとの関係は良好です。ですが正式な会合はこれが初めてであり、将来の可能性に向けてのスタート地点に立ったばかりです」
「5月15日にはFIAに書類を提出する義務があります。ですからそれについて話し合いを始めています。ホンダとレッドブルの間で話し合いを円滑に進めていく必要があります」
「限られた時間で、ホンダの役員たちと話し合いを行い、その結果をレッドブルに伝える形で次の段階へと進みたいと考えています」
「F1に復帰しようと決めた時、ひとつのチームに限定することなく、複数のチームと働くという計画を立てていました」
「役員たちは話し合いのことを承知していますし、(レッドブル陣営との)関係を非常に尊重しています」
F1では2021年に向けてテクニカルレギュレーションの大幅な変更を予定しており、パワーユニットの仕様が一新される見込みだ。F1.comは、レッドブル・レーシングと契約する場合、当面の契約期間は現世代のパワーユニットが使用される2019年と2020年の2年間になる見込みであると山本氏が語ったと伝えている。現在のパートナー、トロロッソとの契約も維持される。
レッドブル・レーシングは2010年から2013年にドライバーズ、コンストラクターズ両選手権を4連覇した実績を持ち、それ以後はタイトルからは遠ざかってはいるものの、この2年もトップ3の位置を維持している。ルノーのパワーユニットへの不満を持つレッドブルは、2016年に向けてフェラーリやメルセデスへのスイッチを試みたが、どちらからも供給の同意を得られず断念した。