FIA会長のジャン・トッドは、マクラーレンのフェルナンド・アロンソが、2018年にF1と並行してWEC世界耐久選手権にも参戦すると選択したことを支持している。
「モータースポーツの宣伝としても良いことだと思う」とトッドはEFE通信社に語った。
「彼が自分自身で決断したことを、我々は尊重しなければならない。彼がWECへの参戦を望み、マクラーレン側も許可しているのなら、それは素晴らしいことだと思う」
アロンソがふたつのカテゴリーのレースに参戦することは、モータースポーツがかつての黄金時代のように復活するきっかけになるかもしれないと、トッドは考えている。
「20年前や30年前は、多くのF1ドライバーがフォーミュラ2や世界的なスポーツカーレースにも参戦していた。それに多くのF1テストが行われていたものだ。今ではほとんどなくなってしまったが」と自身がフェラーリでチーム代表を務めていた頃のことを振り返った。
それに、モータースポーツを心から愛するアロンソが、あらゆるカテゴリーのレースに興味を持っていることも明白だ。
「彼は素晴らしいカートの育成プログラムも運営している。彼は自身がレースで得た経験を、これから未来を担う、若手ドライバーに還元していきたいのだろう」と理解を示した。
もしフェラーリのチーム代表を務めていた頃に、チームのドライバーのひとりが他のチャンピオンシップでレースをすることを希望したら、許可をしたかと尋ねられたトッドは、肯定的な回答をした。
「個人的には許可したと思う。ドライバーに自由と快適な環境を与えることで、彼らのベストを最大限に引き出すことができる。とても重要なことだ」
皮肉なことにトッドの古巣であるフェラーリは、現在FIA会長という立場にいる彼の今一番の悩みの種となっている。フェラーリ会長はF1新オーナーが提案した将来に向けたプランに反対しており、F1から撤退すると脅しをかけてきているのだ。
「もちろん、セルジオ・マルキオンネとはよく話をしており、互いに理解を深め合っている。それに私はフェラーリのことはよく知っているからね」
「私はフェラーリに大きな尊敬の念を抱いているし、モータースポーツは彼らから大きな恩恵を受けている」
「憶測や推論、脅しといったことについて話すことは避けるべきだ。最終的に、我々は全チームがF1に参加できるようにしなければならないからね」
FIAと新たなF1商業権保有者のリバティ・メディアが分裂することを期待している者は、がっかりして去ることになるだろう。
「リバティ・メディアが商業権をバーニー・エクレストンから獲得して以来、F1は大きく変化してきており、私はそれがうまくいっていると考えている」
「我々は良好な関係を築いており、F1を確実に存続させるために共に取り組んでいるのだ」