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長澤まさみがマリリン・モンローに? 『コンフィデンスマンJP』第4話は“映画ネタ”満載

2018年05月01日 06:02  リアルサウンド

リアルサウンド

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 1話完結の月9ドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ系)。4月30日に放送された第4話のタイトルは「映画マニア編」。ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)たち信用詐欺師の3人が、食品の産地偽装などを行う老舗の食品会社社長・俵屋勤(佐野史郎)を騙すために闘いを挑んだ。


参考:【画像】『コンフィデンスマンJP』第4話で活躍した長澤まさみ


 食品メーカーの俵屋フーズで工場長を務める宮下正也(近藤公園)が、同社の看板商品「うなぎのカレー煮」の産地偽装の告発をしようとするも、社長の俵屋の脅迫によって、ついに告発文を出すことは叶わない。それを知ったダー子は、次なる獲物としてこの俵屋社長に照準を合わせる。


 そんな俵屋社長は大の映画マニア。この回は映画の小ネタがふんだんに盛り込まれ、映画ファンにとってはなんとも楽しい回だったのではないだろうか。ダー子が『七年目の浮気』を劇場で観ていたかと思えば、マリリン・モンローと同じ白ドレス姿で登場しての幕開け。ボクちゃんに栄養ドリンクと生卵をビールジョッキで一気飲みさせ「エイドリア~ン!」と『ロッキー』の名ゼリフを叫ぶなど、いつにも増してハイテンション。


 だがハイテンションなのはダー子たちだけではない。ダー子たちは、映画をネタに俵屋を釣るのだが、やはり大好きな映画ネタを前にしているだけに、彼もまたハイテンション。筆者も映画ファンであるため、この俵屋にはどうも肩入れして観てしまう(産地偽装や従業員へのパワハラは別として)。『七人の侍』を引き合いに出して怒鳴りつけてくる上司など、一度会ってみたいものである。


 そんな彼から大金をせしめるため、ダー子らは俵屋が定期購読している「月刊キネマ新報」なる映画雑誌にニセの情報をさしいれ、“映画人が愛した銘店”を謳った「カフェバー・スワンソン」におびき寄せることに成功する。店内の壁には石原裕次郎のポスターや、高倉健の写真、さらには勝新太郎の好物だと偽った「カツサンド」まで登場。まさに映画ファンの憧れを具現化したような店だ。ここに映画監督とプロデューサーに扮したボクちゃんとリチャードが現れ、撮影準備中の映画に出資するように俵屋に持ちかけるが、彼はなかなか首を縦には振らない。


 しかしダー子が中国の新進女優マギー・リンという架空の人物に扮するなど、粘ったかいもあり、3億円出資するという話になるが、彼の条件は脚本への口出しに始まり、自分の納得できる作品にしたいというものであった。そうして撮影現場でも演出への口出しから、さらには「カット」という声まで上げ、しまいには自分のことを俳優として出演させろとまで言ってのける。相当に傲慢な人物であるが、やはりなかなか憎めない……。


 そんな俵屋を演じたゲスト俳優が、佐野史郎であった。佐野といえば、現在放送中の大河ドラマ『西郷どん』(NHK)では井伊直弼役、さらに、公開が始まったばかりの『となりの怪物くん』では主人公の問題児・吉田春(菅田将暉)の父で、政治家の泰造を演じている。いずれも冷たい表情に重い口調が印象的な“大物”役であるだけに、この俵屋役でのハジけっぷりは爽快であった。


 俵屋は、完成した映画の完成試写会で、これまで自分が騙されていたことを知り、産地偽装の問題も公になってしまう。彼は出資額の3億円に加えて会社の信用と引き換えに、大好きな映画の甘い夢を見ていたのだ。「映画界には詐欺師が多い」と、ウソかホントか、口にしていたダー子。映画好きが高じてこのような目に遭わないように(もちろん産地偽装とパワハラはダメ!)、映画ファン諸氏には注意を呼びかけたい。


(折田侑駿)