第2戦総合優勝の777号車D’station Porsche(星野敏/荒聖治/近藤翼組) ピレリ・スーパー耐久シリーズ2018の第2戦は、4月2~29日に初夏の爽やかな天候に恵まれたスポーツランドSUGOにおいて54台が参加する3時間レースとして開催。8台が参加したST-Xクラスでは、777号車D’station Porscheの星野敏/荒聖治/近藤翼組が、レース終盤に逆転でトップを奪い今季初優勝を飾った。
第2戦SUGOは参加台数が多くピット数が少ないこともあり、3年連続でグループ1(ST-X、TCR、1~3クラス)とグループ2(ST-4、5クラス)の2グループでそれぞれ3時間レース開催となった。
29日に行われたグループ1は、ST-X、ST-TCR、ST-3クラスに各8台、ST-1クラス2台、ST-2クラス4台の計30台が出走。ポールスタートのD’station Porscheの荒が序盤からリードを奪うが独走態勢とまではならず。開始20分ほどで2台の車両がコース脇に停止したこともあり、コース全区間で追い越し禁止&50km/h制限となるフルコースイエロー(FCY)となった。
7分ほどでFCYは解除されバトルが再開。FCY時に給油のためピットインしたD’station Porscheは一旦2番手に後退していたが、すぐにトップを奪還。これを3台のGT-Rとアウディが追う展開となった。
3番手を走行していた開幕戦優勝の99号車Y’s distraction GTNET GT-R(浜野彰彦/星野一樹/藤波清斗組)は、黄旗区間の追い越しのためにドライブスルーのペナルティを受けてトップから30秒近い差の4番手となった。
44周あたりから上位陣はルーティーンピットに。ここでFCY時に最初のドライバー交代を済ませていた82号車Phoenix Racing Asia R8(アレックス・アウ/アレックス・ユーン/シャウン・トン組)がトップに立つと、トンが後続を寄せ付けない素晴らしい走りを発揮した。
70周でトップの82号車Phoenix Racing Asia R8が2回目のピットインを行うと、上位陣も次々に2回目となるルーティーン作業のためにピットへ。82号車は2番手のD’station Porscheに50秒近いリードを築いていたが、初めてのSUGOに慣れないアウのペースがなかなか上がらない。
ここでD‘station Porscheの近藤がトップを3秒ほど上回るペースで猛追。105周目には簡単にトップを奪うとそのまま124周のチェッカーまでトップを譲ることなく昨年最終戦以来の優勝を遂げた。
「燃費が心配だったのでFCY時に給油だけを済ませましたが、星野さんが素晴らしい走りを見せてくれました」と笑顔の荒。3位には、最後のスティントで黄旗追い越しのペナルティを受けたスリーボンド日産自動車大学校GT-Rがゴール。金曜日の練習走行で大きくマシンを壊したが、メカニックの徹夜作業からの表彰台獲得だった。
ST-TCRクラスは、開幕戦優勝の97号車Modulo CIVIC TCR(植松忠雄/中野信治/大津弘樹組)が、序盤に植松の素晴らしい走りで5番手スタートからトップを奪うと逃げ切って連勝。ST-1クラスは31号車Nissoku Porsche 991GT3Cup(JACK/影山正美/富田竜一郎組)が優勝、ST-2クラスは59号車DAMD MOTUL ED WRX STI(大澤学/後藤比等至/井口卓人/石坂瑞基組)が連勝した。
ST-3クラスは、マークX、フェアレディZ、RC350と3台の車両による激しいトップ争いが演じられたが、15号車岡部自動車 T-MAN Z34(長島正明/小松一臣/坂本祐也/勝亦勇雅組)が抜け出して優勝した。
28日に行われたグループ2のレースには、ST-4、5両クラスとも12台ずつが参戦。スタートから1時間ほどでセーフティカー(SC)が約20分導入され、この間にST-4クラスの多くは次々に2度のピット作業を終わらせた。
レース中盤には2度目のSC導入となり、55号車Sunoasis田中建築86(たしろじゅん/伊藤毅/大井貴之組)、86号車TOM’S SPIRIT 86(松井孝允/坪井翔/中山雄一組)、13号車ENDLESS 86(小河諒/高橋翼/花里祐弥/呉良亮組)の3台が激しい優勝争いを演じた。
数周のバトル後、ポールスタートのTOM’S SPIRIT 86がトップを奪い昨年からの連勝記録を7に伸ばした。ST-5クラスはスポット参戦で予選8番手の67号車YAMATO FIT(安井亮平/池田歩)が、混戦を抜け出して初優勝を遂げた。