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WRC:トヨタ、5戦目で今季初優勝。「これほどの強さを発揮できるとは夢にも思わず」とマキネン

2018年04月30日 11:31  AUTOSPORT web

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ラリー・アルゼンティーナの勝利を喜ぶチーム代表のトミ・マキネン
4月29日に競技最終日が行われたWRC世界ラリー選手権第5戦アルゼンチン。競技初日から総合首位を守っていたTOYOTA GAZOO Racing WRTは、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が逃げ切りフィニッシュ。チームに2018年シーズン初、自身にとってトヨタ移籍後初の総合優勝を手にした。

 ラリー・アルゼンティーナの最終日はサービスパークが置かれるビジャ・カルロス・パスの西南エリアに広がる山岳エリアでSS16~18の3SSで争われた。

 前日、46.5秒の大量リードを手にしていたタナクは、勝利を確実なものにするべくペースを抑えて走行。難易度が高いステージを無事に走りきり、総合2位に33.7秒のギャップをつけトヨタ加入5戦目にして勝利を手にした。

 また、これがラリー・アルゼンティーナ初出走だったエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)も競技最終日はパンクに見舞われる不運もあったが総合8位で完走。チームに貴重なポイントをもたらしている。

「我々チームにとって本当に素晴らしい結果になった」と語るのはチーム代表のトミ・マキネン。

「オットは週末を通して非常に力強く、最終日はやや抑え気味のペースだったが、とても難しいステージだったし、この素晴らしい勝利のためにあえてリスクを冒す必要はまったくなかったと思う」

「オットがチームに加入して最初の優勝は、もっともハードなラリーのひとつであるアルゼンチンで実現された。このような困難なコンディションで、我々のクルマが速さと強さを備えていることを皆さんの前でお見せすることができたと思うよ」

「 週末を通してこれほどの強さを発揮できるとは、以前は夢にも思わなかった。アップ&ダウンのラリーが続いていたので、この勝利にはとても重要な意味がある」

「クルマに高いパフォーマンスがあることは分かっていたけど、チームがハードワークを続けたことによってついに素晴らしいリザルトを得ることができた。今後も変わらず良い方向に進んで行くことを期待している」

 自身3度目の総合優勝を手にしたタナクは「このチームで最初の優勝を飾ったことに特別な思いを感じる」とコメントしている。

「改善を重ねた結果クルマは急速に進化し、現在は完全に僕が望む状態に仕上がり、確固たる自信を持って走ることができているんだ。また、チームがしっかりと支え続けてくれることに心から感謝している」

「すべてが良い方向に向かっており、上位との選手権のポイント差も縮まってきている。シーズンはまだ長いので、次戦以降も今回と同じように戦い続けたいと思うよ」

 トヨタが挑む次の戦いは5月17~20日に行われる第5戦ポルトガル。このラリー・アルゼンティーナと同じくグラベル(未舗装路)で争われる1戦で、今回同様、砂状の路面や硬い岩盤の路面などさまざまなコンディションで争われる。