トップへ

香取と草なぎによるSingTuyo「KISS is my life.」に感じた、新しい地図のテーマとの親和性

2018年04月30日 07:01  リアルサウンド

リアルサウンド

写真

 香取慎吾と草なぎ剛による新ユニット“SingTuyo(しんつよ)”が、4月30日に新曲「KISS is my life.」をデジタル配信リリースした。ふたりが歌っていることを発表するよりも先に、キヤノンのミラーレスカメラ・EOS Kiss MのCMソングとしてオンエアされた同曲。すると、多くの視聴者が「この歌声は!」と気づき、話題を呼んでいた。それほど彼らの歌声は、私たちの身体に染み込んでいるということなのかもしれない。


(関連:#クソロスに浸る暇なし! 稲垣、草なぎ、香取「新しい地図ムービー第2弾」でまだ見ぬ未来へ


 CMには、女優の竹内結子と共に草なぎの愛犬・フレンチブルドッグのクルミちゃんが出演。香取と草なぎがパーソナリティを務めるラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)の4月8日放送回では、新曲を歌うことが決まったときの気持ちを、「ああ、クルミちゃんがCMデビューで、つよぽんが歌を歌うんだって思ったら、僕まで歌うって言うからびっくりしたよ(笑)」と語った香取。


 しかも、この曲を提供したのは、かねてから香取が大好きだと公言していた、ぼくのりりっくのぼうよみだ。「気持ちがつながっていくのか、“ぼくりり”くんが作ってくれました」振り返れば彼らの活動は、いつも好きが伝播し、世界が広がって、作品になっている。「すごい、いい曲。才能溢れてる方が作った曲だな、みたいな。ラップのところの入り方とかさ。間奏の……あれたぶんエレキなのかな? カッコイイよね、あれね!」と草なぎはギター好きならではの視点で絶賛。そして、ぼくのりりっくのぼうよみの若さに驚いた。


 ぼくのりりっくのぼうよみは、1998年生まれの20歳だ。香取と草なぎがSMAPとしてCDデビューしたのが1991年。生まれたときには、彼らはアイドルとして活躍をしていた世代だ。ラップパートは、そんな若き才能あふれるアーティストが香取を想像しながら創り上げたという。<どんなに辛いことが あったとしてもほら 僕たちがここにいる 君は輝いてるよ大丈夫>若くしてその才能を開花させたぼくのりりっくのぼうよみよりも、さらに若いときからアイドルとして世の中に笑顔を届けてきた香取を、まっすぐに見つめた歌詞だ。


 ぼくのりりっくのぼうよみの歌には、今を生きる人々が発信する様々な考えを、反射的に否定しない柔軟さ、余白を感じる。それは、香取たちがスタートさせた、新しい地図のテーマと親和性が高いように思う。例えば「SKY’s the limit」という曲では、アプリで画像を加工したり、SNSで自分の生活をちょっと盛ったり……ともすればインターネットに振り回されていると揶揄されがちな人たちのことも決して否定せず、かといって強く肯定もせず、フラットに「いいじゃん」と受け止める。むしろ、楽しくない日々を率先して彩っていく姿を<We are beautiful>と歌うのだ。


 本当のことに、どれほど意味があるのだろうか。先のわからない日々で、確実といえることがどれくらいあるのだろうか。それが人々に現実を超えた夢を与えるアイドルという生き方なら、なおさらかもしれない。ならば今、彼らが表現したいこと、見せたいものを「いいね」と思う人とつながり、わかり合える人と共に未来へ歩んでいこう。そんなメッセージが「KISS is my life.」から感じ取れる。(佐藤結衣)