フランス・パリで開催された2017/2018フォーミュラE第8戦。28日に行われた決勝レースは、ジャン-エリック・ベルニュ(テチーター)がポール・トゥ・ウインで母国ePrixを勝利した。
フォーミュラE第8戦の舞台はパリ。ランキングトップで母国ePrixに挑んだベルニュは、予選から速さを披露する。トップでスーパーポールに進出すると、トップタイムをマークしていたサム・バード(DSヴァージン)のタイムを0.277秒上回る完璧なアタックを見せ、シーズン4度目のポールポジションを獲得する。
薄曇りの中スタートした決勝レース。ベルニュは安定したスタートを見せホールショット。2番手のバードはアンドレ・ロッテラー(テチーター)に並ばれるも、なんとかポジションをキープする。
後方では、ルカ・フィリッピに代わって参戦したマ・キンファがホームストレートでストップ。さらにアンドレッティ・フォーミュラEのトム・ブロンクビストがニコラ・プロスト(ルノー・eダムス)に追突。ミッチ・エバンス(ジャガー)もよけきれずマシンにダメージを受け、フルコースイエローとなる。
レースは3周目に再開。7番手を走行していたアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(アンドレッティ・フォーミュラE)は、コーナーを曲がり切れずクラッシュ。ここでリタイアとなる。
9周目に第8戦のファンブーストが発表。セバスチャン・ブエミ(ルノー・eダムス)、アウディのダニエル・アプトとルーカス・ディ・グラッシが獲得した。
上位3台は僅差のままレースは進む。チャンスを伺うバードは、24周目にアタックするもベルニュはしっかり抑えてトップを譲らず、この周終わりでピットへと向かう。
ピットインでも3台の順位は変わらず、1周遅れてピットインに入ったディ・グラッシがマーロ・エンゲル(ベンチュリ)を交わし4番手に浮上する。
マシンを交換したベルニュはトップをキープ。バードはペースが上がらず、ロッテラーに迫られる。35周目、強引にインを差したロッテラー。バードと接触するも2番手を獲得。バードは、ディ・グラッシにも交わされ4番手に。
ファンブーストも持ち、エネルギー残量的にも優位なディ・グラッシ。前に迫るもロッテラーもハイペースで走行を続け隙を作らない。終盤、チャンスを見出したディ・グラッシだが、ロッテラーのブロックでオーバーテイクには至らず、無線で声を荒げた。
トップを行くベルニュは安定した走りを見せ、そのままトップでチェッカーを受け、今季3勝目を挙げる。
ロッテラーもポジションをキープし、このままテチーターが2度目の1-2フィニッシュを果たすかに見えたが、ギリギリのエネルギー残量だったロッテラーはチェッカー前にスローダウン。ディ・グラッシに交わされ、さらに4番手のバードと追突。
バードは右フロントタイヤが曲がりながらもゴールラインを超え3位表彰台を獲得。ロッテラーは6位でフィニッシュとなった。
25日に誕生日を迎え28歳となったベルニュ。母国フランスでの勝利に喜びの声を挙げる。
「今年優勝したいと思っていたレースだったし、ポールポジションから勝利できるなんて素晴らしいね。特に今週誕生日だったがから、こんな幸せなことはないよ」
「僕たちは、世界でもっとも美しい都市でレースをしているし、フォーミュラEのカレンダーには最高のロケーションがあるんだ。今日多くのファンがここに来てくれて、パリは素晴らしい仕事をしてくれた」
「まだタイトルについては考えていないんだ。まだ先は長いし、フォーミュラEでは何が起こるかわからないから、次のレースをするだけさ。チームがリラックスすることは望んでないし、最後のレースまで厳しい戦いになるだろうね」
28ポイントを追加したベルニュ。ランキング2位のバードとの差は31ポイントに広がった。
3戦連続で2位となったディ・グラッシは、「今日はいい走りができた。予選では0.005 秒差でスーパーポールに行けなかったので残念だったよ。最初のスティントでは保守的にアプローチして、トップ集団より多くのラップを走行することができた」
「サム(バード)をオーバーテイクしてアンドレを捕まえようとしたんだ。彼は僕の前で過度にエネルギーを消費していた。だからスローダウンすることはわかっていたよ。これで23回目の表彰台だ。2週間後のアウディのホームレースでは勝ちたいね」とコメントしている。