土曜日の深夜(日本時間:日曜日の早朝)、仕事を終えてメディアセンターを出たら、サーキットと市街地を分けるフェンスにかぶせてあるシートが大きく外れていた。強風である。写真を撮っていても、体が持っていかれそうになるくらいの強風だ。
じつは天気予報で、日曜日のバクーはかなりの強風が吹くことが事前に予想されていた。予報ではレース開始時の16時の天候は曇りで気温は16℃だが、時速43kmの強風が吹くため、体感温度は11℃だという。
日本では風速は秒速で表記されるため、時速43kmというのがいまひとつピンとこない人のために、時速43kmを秒速に変換すると、11.94mとなる。日本なら、強風注意報が発令されるほどの強風だ。
バクー・シティ・サーキットはユニークなコース特性から、「モンツァのウイングでモナコを走るようなコース」だと言われる。そのため、風の影響が受けやすい。しかも、バクーはペルシャ語で「風の街」という意味し、常に強い風が吹き、金曜日から土曜日にかけて、多くのドライバーがブレーキングに苦しんだり、コーナー出口でスピンを喫していた。
それが日曜日は、金~土曜日以上の風となる。いつもにも増して、レースが荒れる予感がする。