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X4が語る、ソロ活動で培ったものとグループの目標 「やっとスタートラインに立った気持ち」

2018年04月29日 12:02  リアルサウンド

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 新体制になって4カ月。長い沈黙を破り、ダンスボーカルグループ・X4が始動する。4月18日には、結成以来はじめてのセルフタイトルアルバム『XXXX』をリリース。“原点回帰”をテーマに、インディーズ時代を彷彿とさせる楽曲がふんだんに詰め込まれている。各メンバーのソロ曲も初めて収録されており、聴き応えは抜群だ。その『XXXX』を携え、4月28日からはツアーもスタート。頂点を目指して、再び意欲的な活動を始めたX4。“X4の現在”をテーマに、アルバムやツアー、ソロ活動、そしてグループのこれからについて、熱い思いを語ってもらった。(高橋梓)


(関連:X4の快進撃はまだまだ続くーー『Xross Mate』ツアー追加公演に見た歌・ダンス・MCの進化


■自分たちも聴く人も「かっこいい」と思える音楽を
ーーアルバム発売、ツアーと一気に活動がスタートしますが、ファンの方々も待ちわびていたのではないでしょうか。


JUKIYA:今回のアルバムはソロ曲があったり、初めて作詞作曲させてもらったり、新しいことにもチャレンジしています。ライブも今までにない色を見せられるんじゃないかなと思います。


T-MAX:グループでのライブ自体が久しぶりなんですよね。新体制一発目のライブとアルバムなので、また新しいイメージが付くと思います。それと、4人のX4を音楽でも表したいですね。5人のときはポップな曲も積極的にやっていたんですが、もう一回X4の音楽を見つめて、X4の武器を全面的に出していきたいなと思っています。今いろんなダンスボーカルグループが出てきているじゃないですか。お客さんもいろんなグループのライブに行っていると思うので、バシッとお客さんの心を掴めるようにしたいです。自信はあるので、「X4がカムバックしてきたな」と思ってもらえるんじゃないですかね。


ーー「X4の武器」とは具体的にどんなものですか?


T-MAX:ライブ感、ですかね。アルバムを聴いてからパフォーマンス見てもらうと、イメージが変わってくると思うんです。


KODAI:残んないですもんね、ライブって。アクシデントも含め、ナマモノでしかない緊張感は、ライブでしか味わえない。


T-MAX:音楽と向き合ってきた期間をぜひ見てほしいですね。


ーー『XVISION』のような楽曲とありました。そういう部分でもアルバムのテーマ“原点回帰”につながっていますね。


KODAI:そうですね。『XVISION』はX4をやり始めたばかりの頃だったので、自分たちが「かっこいいな」と思っていた音楽だったり、「これがX4です」というインパクトを与えたかったりして出したアルバムでした。それから3年、いろんなアルバムをリリースしたり、いろんな場所でライブをやったり、それぞれ個々の力を付けてきたりしましたが、4人になった今、もう一度初心に返ろうと思ったんです。もう一度あの頃の自分たちというか、「これがX4だ」というのを見せたいなと。ただ、丸々戻るというわけではなく、3年間で培ってきたパワーとか、新しいチャレンジもあわせてこのアルバムに詰め込みました。


ーー確かに今までのアルバムよりもディープな印象があります。


T-MAX:そうですね。メジャーデビューしたこの3年で、いろいろ試したいことが増えたり、ファンのみんなが好きな曲も生まれたりしてきたりした中で、ファンのみんなも僕らも楽しめるのがこれなんじゃないかな。


ーー3年間で培ってきたパワーとは具体的にどのようなものでしょうか?


KODAI:個々のパワーが強いんじゃないかと思います。YUYAくんも僕もソロライブをやったり、舞台をやったり、JUKIYAもソロでイベントに出たり、T-MAXもLAにダンス留学に行ったり。個々で動く時間があったので、自分のやるべきことに真剣に向き合う時間があったんですよね。今まではメンバーのみんなに甘える部分があったけれど、一人でやることで責任感も強くなりました。だからこそ今回のアルバムには、ソロ曲が入っていて、そこに3年のパワーを感じられると思います。


ーー確かに、ソロ曲もそれぞれの良さが出ていますよね。JUKIYAさんの「Rap Star」は、「この先もラップでやっていく」という決意表明のようにも感じました。


JUKIYA:もともとX4に入る前からラップをやりたいっていうのがあって、1年前くらいからMacを買って曲作りをし始めたんです。X4の楽曲としては出してないんですけど、ずっとメンバーには聴いてもらっていて。以前ファンミーティングでソロの時間をもらった時に、初めて「Rap Star」をファンのみなさんに披露したんですよ。そして今回アルバムでソロ曲を作ることになったので、自分で作ったトラックをRoute Aさんにアレンジしてもらって、MVも初めて撮りました。「絶対誰にも負けないぞ」という強い意志というか、「俺だけを見ろ」という強い思いを込めました。前向きな曲になったんじゃないでしょうか。


KODAI:ガツガツしている感じですね(笑)。


JUKIYA:最初に作ったトラックからアレンジしたんですが、今回アルバムに収録するということで書き足した部分もあります。もともと、ヴァースも3つなかったんです。サビのメロディーや歌詞も変わっていますね。この曲を聴いてもらって、自分の立ち位置というか、JUKIYA=ラップというイメージをつけられれば良いなと思っています。そういう意味でも、リリックは恋愛と言うよりも意思表示みたいなラップにしました。


ーーT-MAXさんのソロ曲「Don’t need words」はダンスナンバーです。ライブを楽しみにしているファンの方も多いと思います。


T-MAX:僕、踊って歌うのが本当に大好きなんです。洋楽のダンスボーカルグループがとても好きで。華やかで、スーパースター感があるんですよ。「なりきってるなー」っていう。そんな風にファンのみんなを巻き込んで全く違う世界を作っていきながら、非日常な空間を楽しんでもらえたらと思います。


ーー具体的なテーマは設定していますか?


T-MAX:テーマは決めていないんですが、僕の場合はとにかく曲を聴きまくって、いろんなイメージを頭に浮かべるんです。その中から選んでいって、これにしようという感じですね。まず頭の中で歌とダンスをある程度考えてから、実際に体を動かして細かな部分を変えていきます。“歌う用のダンス”じゃなくて、バチバチに踊ります。それでダンスの良いところをみんなに見てもらえればなと。


ーーLAでのダンス修行(初回盤DVD収録「T-MAXの日々の足跡 LA Movie Diary 特別版」)で学んだことも活かせそうですね。


T-MAX:特に気持ちの部分で学べました。今までダンスをする時、気持ちにある程度余裕を持っていたら音が助けてくれるって思ってたんです。でも、向こうに行くとみんな心から踊っていて。下手な人でも思いっきり踊ってるんで、それだけで盛り上がるんですよ。そっちの方が僕はいいなと。あまり感情が顔に出るタイプではないのですが、今回のライブではがむしゃらさみたいなものも出していきたいですね。


■ソロで磨いてきた力が、X4をさらに高みへ
ーーライブを見るのが楽しみです。KODAIさんはソロ曲「花」にどんな思いを込めているのでしょうか。


KODAI:1年前くらいからギターを始めたんですが、「花」は初めて作った曲なんです。あの歌詞は僕の経験からできていて、後悔ってみんな少なからずしていると思うんですよ。だからこそ、「花」を聴いた人の後悔が少しでも薄くなればいいなと思い、「あの時こうしたら良かったと思っている」という僕の過ちとそれに対する答えを書いています。


ーーなるほど。実体験となると、歌への気持ちの込め方も変わってきそうですね。


KODAI:そうですね。内容を知っているからこそのアプローチの仕方がありますね。ここはもう少し弱く歌おう、とか考えながらやっています。


ーー「砂時計」も作詞していますよね。


KODAI:はい。初めて曲を聴いた時に、どんな歌詞にしようかなって悩んだんですね。でもメロディラインとかトラックとか、ハッピーな感じじゃないなと。そこで体験談ではなく、自分の頭の中に、映画とかドラマを見てる感じで、いろんな設定を作ったんです。そして、ある恋人同士の男女を描こうと思いつきました。男性が浮気をして、女性が怒る。でも、二人の関係はまだ続いている。そんな中、あるとき女性も浮気をし始めてしまうが、男性は怒れない。女性は「私も浮気をしているから、もう放っておいていいわ」と呟いた。そんな大人な風景を書きたいと思い歌詞にしました。


ーー背景を聞くと、映像が見えてきます。


KODAI:2番のAメロの歌詞<嘘をついた背中を/責める代わりに抱きしめている>は、相手が浮気をしている、嘘をついているって気づいていて、彼氏として責めなきゃいけないことも分かっているんだけど、自分もやってしまっているから責めることができない。愛しているから責める代わりに抱きしめるしかできない、っていう意味なんですよ。ここの歌詞とか気に入ってますね。


ーーアルバム15曲の中で特にお気に入りの曲はありますか?


JUKIYA:僕は「Wonderful life」ですね。一番は女の子目線で、二番は男の子目線のラップなんですね。リリックも真っ直ぐですし、メロラップの感じもすごく良いんですよ。サビもオートチューンがかかっていて、聴いていて気持ちがいいというか、曲の雰囲気が好きですね。


KODAI:僕は「ラストシーン」ですかね。歌詞の内容と違って、曲がすごく壮大なんですよ。めっちゃ好きです。ミックス・マスタリングのスタジオでたまたま聞かせてもらった時に、この曲まじでやばいなって、鳥肌が立ちました。スタッフさんにも「アルバムの曲にするにはもったいない」と言ってもらえたほど、シングルでも大丈夫なくらい力強いんで。デカいスピーカーで聞いて欲しいです。ライブ会場では体感できるんじゃないかな。


T-MAX:僕は「Girl」ですね。キャッチーな曲が好きで、<ジェラってる>という歌詞も特徴的だし。これにダンスがついたら、爽やかでキャッチーだろうなって思います。


KODAI:でも、全部良いんですけどね!


ーーそれぞれソロ活動も活発ですが、ソロならではの努力もあったかと思います。


KODAI:技術面は当然なんですが、その先の気持ちの部分ですかね。ソロだと自分の歌ひとつ、言葉ひとつ、立ち振舞ひとつがX4の入り口になります。僕を通してX4を見るというか。そこに対しての責任感と、「下手なものは見せられない」という思いが一層強くなりました。


JUKIYA:僕はもちろんプレッシャーもありますが、「かますぞ!」という意気込みの方が強いです。というのも、僕はX4のメンバーであることに誇りを持っているから、ほかのグループとステージに立ったとき、「俺はX4だぞ」と堂々と自信を持ってやれるんですよね。


T-MAX:僕はみんなで何かを作るのが好きで、グループで活動してきたのもあって、あまり自分個人のことは考えてこなかったんですよ。でも今回、各々ソロで活動する期間があったので、自分と向き合う時間を増やして、自分にできることをやってきました。ボイトレを毎日受けたり、アメリカから帰ってきた後もレッスンを受けまくったりと、個人のスキルをひたすら磨いていましたね。


ーーその成果をライブで見られるのも楽しみです。


T-MAX:精神的には“めちゃめちゃライブしたい!”ですね。今までライブをたくさんさせていただいていたので、これだけ期間が空くとライブが恋しくなるんですよ。気持ちが爆発します(笑)。


KODAI:期待しまくっててください!


ーーYUYAさんのソロ活動については、メンバーからどう見えていますか?


KODAI:ありがたいですね。YUYAくんがソロ活動することで、X4の存在を知ってもらえる機会が少なからず増えますし、YUYAくんがお俳優の仕事をしてくれたおかげで、X4として出演する機会をいただけるなんてこともあるので。だからこそ、それでいただいたお仕事で下手なことはできないな、彼の顔を潰すことはできないな、とキュッと気持ちが引き締まります。


JUKIYA:僕は単純にすごいなって思っています。テレビで映っているのを見ても「一緒にやってるメンバーなんや!」みたいな。「こんなすごい人と一緒に活動できているんだから」と自信にも繋がりますし、刺激ももらえる。負けてられないとも感じます。YUYAくんから学ぶことはたくさんありますね。


T-MAX:YUYAくんってひとりで仕事してる時って気を張っているというか、仕事モードなんですよね。ハードスケジュールの中でも結果を残していますし。背中で教えてくれている尊敬できる先輩です。X4を牽引していってくれているなと感じますね。


ーー刺激もあり、尊敬もあると。


KODAI:たしかにYUYAくんって、一人でやっている時はすごく気を張っているんですよね。それは僕らと同じことを思ってくれているからなのかなって。メンバーという甘える場所がないからこそ、気を張る。だからメンバー4人で久しぶりに会った時は、多分僕らにしか見せない顔をしてくれるんですよ。そういうのは素直に嬉しいです。僕らもホッとできる場所を作りたいなって思いますね。


ーー今回のツアーを含め、ソロで培ったものを活かせそうな場面はありますか?


KODAI:いつもならメンバーがボケたことに対してツッコむことで、自分の地位は確立されていると思っていたんです(笑)。でもソロライブをやると、一人で喋るじゃないですか。すごく不安だったんですよ。「なにを喋んねん!」って。でもやっていると、「ここでひと笑いあった方が次の曲は楽しく聴いてもらえるよね」とか考えて、いろいろ模索しながら喋るようになっていきました。そうしたら徐々に納得できるライブができていって。最近は司会のお仕事とかもやらせていただいてパワーになっているので、ツッコむだけのKODAIじゃないという一面も見せたいですね。


■目指すべき姿は、4人だけの“フェス”
ーートークもX4の魅力ですよね。


KODAI:初めてライブに来た人をどれだけ笑わせられるか。真面目なMCってあんまりないんじゃないかな。YUYAくんも100%ボケてくるもんね。


T-MAX:僕はカッコつけたいんですけど、YUYAくんが「おもろない」って言ってくるもん。「はい……」って(笑)。


KODAI:みんなお笑いがすごく好きなんで、そういう部分もちょっとでもグループの良さに繋がっているなら嬉しいですね。


T-MAX:あと僕はやっぱりダンスですね。僕がダンスをすることによって、X4のダンス色がもっと強まればなと思っています。そこで貢献できるようにしたいです。


JUKIYA:KODAIくんが言ったMCはもちろんですが、個人的にはラッパーとしても支持されるようになっていきたいです。ソロでもっと活動して、X4に戻ってきたとき今以上に「いいな」って思ってもらえるようにしていきたいですね。


ーーライブのX4が好きというファンも少なくないですよね。特にガシガシ踊るX4が好きというファンの声を耳にします。今回のツアーでもパフォーマンスは意識していますか?


T-MAX:今回だけじゃなく、X4のダンスってがっつり踊るんですよ。


KODAI:そうだね。ダンスボーカルグループって歌いながら踊るから、ボーカルに支障がないダンスっていう場合がほとんどなんですよ。でも僕らはボーカルとダンスを完全別に考えています。激しいというか、体に力を入れないとカッコよく踊れない。でも、力を入れすぎると声が固くなる。知り合いのダンスボーカルグループの人にX4の動画を見せたら「え、これ歌う人のこと考えてんの?」って言われるくらいです(笑)。そういった意味では、めちゃくちゃ難しいですね。


T-MAX:振付師も本場のアーティストさんが好きな方なので、振り付けにもそういった要素が反映されたX4らしさが出てるんじゃないかな。


ーーそろそろメジャーデビューして丸3年経つと思いますが、この先の方針や方向性はありますか?


KODAI:そこは最初から変わらないですね。個性を出していってそれが集まった時にすごく大きな力になるっていう。全員が同じ色を持っていても面白くないから、バラバラだけど集まった時にパワーが出るグループっていうのは、常に目標にしているというか、なるべき形だと思っています。今回アルバムで、X4の名前を使ってソロ曲をやったことで、やっとスタートラインに立った気持ちです。もっともっとそれぞれの色を濃くしていきたいですね。


T-MAX:イメージ的にはフェスですね。いろんなチームが出るから盛り上がるし。それがこの4人でできたら良いですよね。


KODAI:最高! すげー良い例え!(笑)。


JUKIYA:2人が言ってくれたことがすべてですね(笑)。一人ひとりのパワーが集まって、最高のグループを作っていきたいです。


(取材・文=高橋梓)