トップへ

WRC:トヨタのタナク、独走維持で最終日へ。マキネン「タナクのスピードを阻む要素なし」

2018年04月29日 11:41  AUTOSPORT web

AUTOSPORT web

笑顔を見せるTOYOTA GAZOO Racing WRTのチーム代表、トミ・マキネン
4月28日に競技3日目が行われたWRC世界ラリー選手権第5戦アルゼンチン。3台のトヨタ・ヤリスWRCが投入しているTOYOTA GAZOO Racing WRTはオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が46.5秒までリードを広げて、総合首位の座をキープした。

 山岳地帯が舞台となったラリー・アルゼンティーナの競技3日目は、ハイスピードコーナーが続くSS10の終盤に霧が立ち込めるなど厳しいコンディションのなか争われた。

 総合首位で臨んだタナクは、このSS10で事前に作成したペースノートとコドライバーを頼りに走行してトップタイムをマーク。この日行われたSS9~15までの7SS中5SSでトップタイムを記録する圧巻の走りをみせた。

 これでタナクは今季通算28回のステージベストを記録するとともに、自身通算3度目、トヨタ移籍後初めての総合優勝に王手をかけて、競技最終日に臨む。

 チームメイトのエサペッカ・ラッピは、深い霧に覆われたSS11でコドライバーがペースノート読み上げでミスした影響でコースアウトするハプニングがあったものの、マシンに大きなダメージはなく、総合6番手で競技3日目を走りきっている。

 なお、エースのヤリ-マティ・ラトバラは前日にマシントラブルが発生した影響で大会リタイアしているため、競技3日目、最終日ともに出走しない。

 チーム代表のトミ・マキネンは「オット(タナク)が大きな自信を持っている姿は頼もしく感じられ、彼のスピードを阻む要素は見当たらない」とコメントしている。

「あとは、明日もうまく行くように祈るだけだ。明日のステージはそれほど高速ではないが、石が多くとても難しいステージであることを知っている」

「今朝のステージは濃い霧に包まれ、エサペッカ(ラッピ)にとっては不運なことも起こったが、全般的に良い走りをしていたし、アルゼンチン初出場であるにも関わらず、午後はスピードが上がってきたから健闘していると思う」

 独走態勢を構築しているタナクは「明日のエル・コンドルとミナ・クラベロのステージはとてもタフな道が続き、今日のステージとは大きく異なるから、慎重な姿勢を忘れずに臨む必要があるけど、それでも自信はあります」と意気込んだ。

 またラッピも「すでに昨日からオットが素晴らしい走りをしていることからも、クルマに高いパフォーマンスがあることは分かっていたけど、僕も一歩一歩スピードを高めていっている」と成長をアピールしている。

 競技最終日となる29日(日)はサービスパークが置かれるビジャ・カルロス・パスの西南エリアでSS16~18の3SSが行われる。このうち、SS16と18のエル・コンドルは、ラリー・アルゼンティーナを象徴する名物ステージ。ただし、2018年大会は昨年までの構成を逆走するようなルートになっているため、ドライバーとっては新たなチャレンジだ。

 3SS合計の走行距離は55.27km、リエゾン(移動区間)も含む総走行距離は287.55kmとなっている。