WRC世界ラリー選手権第5戦アルゼンチンは4月28日、SS9~15が行われ、オット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が総合首位をキープ。リードを46.5秒まで広げ、トヨタ移籍後初優勝に王手をかけた。
ラリー・アルゼンティーナの競技3日目はサービスパークが置かれるビジャ・カルロス・パスの西~西北エリアに広がる山岳エリアを中心に争われる1日。
前日、22.7秒のリードを築いていたタナクは、SS9~11と3SS連続でトップタイムを記録するなど、この日も好調を維持。標高の高いエリアでは霧が立ち込めるなど難しいコンディションになったが、午前中最後のステージとなったSS12終了時点で42.2秒まで差を広げている。
タナクはサービスを挟んで行われた午後のSS13~14もトップタイムを刻むなど、ペースを緩めず。この日最後のステージとなったSS15ではパワーステアリングと右フロントのショックアブソーバーにダメージを負ったが、それでもステージ4位を確保。競技最終日となる29日に向けて、充分なマージンを確保した。
「(SS15は)かなりハードだった。ダンパーにオイル漏れが起きてしまったほか、パワーステアリングにもトラブルを抱えてしまったからね」とタナク。
「ただ今日は全開でプッシュしていたわけではないんだ。マシンのフィーリングは最高だし、今のところ順調な流れを維持している。楽しまなくちゃもったいないだろう?」
タナクに続く総合2番手はドライバーズランキング2位のティエリー・ヌービル(ヒュンダイi20クーペWRC)が獲得。ヌービルはSS9終了時点で総合2番手だったクリス・ミーク(シトロエンC3 WRC)の6.2秒差まで詰め寄ると、SS11で逆転に成功した。
ヌービルは「今日はもう少しプッシュすることができたけど、そうはしなかった。その必要がなかったからね」としながらも、SS12でトップタイム、SS13~14でステージ2位を手にし、総合3番手に浮上してきたチームメイトのダニ・ソルド(ヒュンダイi20クーペWRC)との差を21.7秒としている。
総合4番手はセバスチャン・オジエ(フォード・フィエスタWRC)が続いているほか、総合5番手にアンドレアス・ミケルセン(ヒュンダイi20クーペWRC)、総合6番手にエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)と続いた。
また、SS10終了時点で総合6番手につけていたクレイグ・ブリーン(シトロエンC3 WRC)はSS11の中間地点で激しくクラッシュ。リヤウイングやウインドスクリーンを失いながらステージを完走したものの、ダメージがロールケージまで及んでいたことが判明し、大会リタイアを選択している。
競技最終日の29日はSS16~18の3SSで争われる。パワーステージとなる最終SS18は現地12時18分(日本時間24時18分)に第1走者がコースインする予定だ。