4月28日現地時間午後5時、アゼルバイジャンGPの予選が行なわれた。フリー走行3回目では小雨がパラつく場面もあったが依然として雲は多く強い風が吹き、気温は22度、路面温度は26度というコンディションの中でQ1が始まった。
トラフィックが最大の問題となるバクー・シティ・サーキットだけに、各マシンともウルトラソフトを履いて開始直後から先を争うようにコースイン。タイヤのデグラデーションが小さいこともあり、コース上に長く留まってチャージラップを挟みながら何回もタイムアタックを続ける。そんな中でマクラーレンの2台とブレンドン・ハートレーだけは燃料搭載量の影響を考えてか3周ごとのアタックランを行なう。
路面は落ち葉などでかなりダスティな状態で、グリップレベルに苦しむマシンも少なくない。そんな中でロマン・グロージャンはターン3でタイヤをロックさせてオーバーシュートし、ギヤボックスのトラブルでコース復帰ならず。ランオフエリアにマシンを止めてノータイムに終わってしまった。
ここでまずトップに立ったのはフェラーリ勢で、キミ・ライコネンが1分42秒538で首位、セバスチャン・ベッテルは0.224秒差で続く。金曜から好調のフォース・インディア勢はエステバン・オコンが上位に飛び込み、セルジオ・ペレスがターン15で激しくロックさせてコースオフする場面もあり「このタイヤはもうダメだから戻れ」と指示されるが「まだマージンはかなりある」と再度のアタックを続ける。
ルイス・ハミルトンは0.155秒差のタイムで2番手につけてきたが、最後にマックス・フェルスタッペンが0.104秒差で2番手に入った。
セッション終了直前、最後のアタックを行なっていたピエール・ガスリーはターン15の手前でパンクを喫しスロー走行していたブレンドン・ハートレーと意思疎通が上手くいかずタイヤをロックさせてオーバーシュート。
これで16番手に留まり、最後にタイムアタックに出ていたもののタイムを出せなかったハートレーともどもQ1敗退となってしまった。マクラーレン勢も振るわずフェルナンド・アロンソは13番手でQ2進出を果たしたもののストフェル・バンドーンは最後にランス・ストロールに逆転を許して16番手でQ1敗退となった。
Q3進出組にとっては決勝のスタートタイヤを決めるQ2では、メルセデスAMG、フェラーリ、レッドブルの6台がスーパーソフトでタイムアタックを行なう。ここで速さを見せたのはメルセデスAMG勢でハミルトンが1分42秒676でトップに立ち、バルテリ・ボッタスも0.003秒差で続く。
3番手にはフェルスタッペンが0225秒差で続き、フェラーリ勢はやや苦労してベッテルが0,339秒差、ライコネンはターン3で大きくロックアップしてオーバーシュートしてしまいタイムが出せないままピットインを余儀なくされるが中古のスーパーソフトで2回目のアタックを行ない1分42秒510を記録しトップでQ3に進んだ。
中団グループはまたしても接戦となり、オコンの5番手を先頭にフォース・インディア勢、ルノー勢がQ3に進出しダニエル・リカルドが10番手で辛くもQ3進出。調子を上げたウイリアムズ勢はランス・ストロールが0.1秒差でQ3進出を逃したが11番手、セルゲイ・シロトキンも12番手となり、アロンソは13番手、シャルル・ルクレールは14番手、ケビン・マグヌッセンは15番手でQ2敗退となった。
Q3では各車ともウルトラソフトを履いてコースイン。1回目のアタックでトップに立ったのはベッテルで1分41秒498。ハミルトンが0.342秒差で2番手、ボッタスが0.445秒差で3番手、レッドブル勢を挟んでターン16出口でワイドになったライコネンは0.992秒差での6番手に留まった。
3強以下はオコン、ペレス、中古ウルトラソフトのニコ・ヒュルケンベルグとカルロス・サインツJr.という順になった。
残り3分で最後のアタックが始まる。ハミルトンは自己ベストタイムを更新したもののベッテルのタイムには0.179秒及ばず。ライコネンはセクター1、2と最速タイムを刻んだもののターン15で僅かにロックさせてしまい、さらにターン16の出口でも大きくリヤが流れて1秒をロスし自己ベストも更新できず6番手のまま浮上することはできなかった。
これで2番手はハミルトン、3番手ボッタス、4番手リカルド、5番手フェルスタッペンという最終結果になり、ベッテルが3戦連続となるポールポジション獲得を決めた。7番手以下もオコン、ペレス、ヒュルケンベルグ、サインツという順に変動はなかった。