チーム関係者からの情報によれば、次戦スペインGPに、これまでよりもコンパウンドのゴムの厚みを薄くしたタイヤが投入されるという。
関係者によると、薄くなるのは0.4mmだという。一般の人から見たら、0.4mmという数値は、違いがわからないほど薄いものだが、厚みを図るためにタイヤの表面に設けている穴の深さが2mmであることを考えると約20%薄くなり、影響は決して小さくない。
それでは、なぜそのような変更を行うのか? 考えられる要因はブリスター対策だ。ピレリは車体に関するレギュレーションが大きく変更されコーナーリングスピード上がった昨年から、耐摩耗性の観点から、コンパウンドの厚みを増していた。
ところが、コンパウンドの厚みを増すと横荷重がかかったときにタイヤが大きくたわみ、ゴムにストレスがかかり、内部が発熱しやすい。昨年のイギリスGPではこうしたことが原因で多くのマシンがブリスターを発生させていた。
さらに今年の開幕前にスペイン・バルセロナで行われた合同テストではメルセデスを初めとする複数のチームがブリスターに悩まされていた。これはバルセロナが路面を再舗装したことも関係しているが、テスト時よりも気温が高くなる5月のスペインGPでは、よりブリスターが発生する可能性が高くなるために、事前に対策を講じたものと考えられる。
スペインGPのほかにも、ピレリはフランスGPとイギリスGPにもコンパウンドの厚みを薄くした特別仕様のタイヤを投入するという。