労務行政研究所は4月27日、今年4月入社者の初任給に関する調査を発表した。4月9日までにデータの得られた239社の東証1部上場企業について速報値をまとめた。
これによると、39.7%と約4割の企業が「全ての学歴で今年度の初任給を引き上げた」と回答。全ての学歴で据え置いた企業は52.3%で、昨年の速報集計時から8.2ポイント低下している。
引き上げ額が最も多かったのは「非製造業に就職した修士卒」、プラス2717円
大卒の初任給を上げた企業は44.4%。引き上げ額は「1000円台」が38.2%と最も多く、「2000円台」と合わせると、全体の約6割が1000円~2000円台の引き上げだった。
全産業で見た学歴別の初任給水準は、大卒が21万1039円、修士卒が22万8591円、短大卒が17万9207円、高校卒が16万8048円だった。前年度の初任給と比較した上昇率は、高卒のプラス0.8%が最も高く、修士卒がプラス0.7%、短大卒0.6%、大卒0.5%の順だった。
製造業と非製造業で分けて見ると、上昇率が最も高いのは非製造業の修士卒でプラス1.2%、額にして2717円プラスの22万6465円だった。
初任給の引き上げは、2008年に32.7%の企業が実施していたが、翌年2009年度はリーマンショックの影響があり、6.4%に激減。その後2013年までは1割未満の企業でしか実施されていなかった。2014年度は、輸出企業を中心とする企業業績の回復などを背景に実施率が回復し、その後2015年度には39.9%にまで回復していた。