4月26日に開幕したWRC世界ラリー選手権第5戦アルゼンチン。3台のトヨタ・ヤリスWRCで挑んでいるTOYOTA GAZOO Racing WRTはオット・タナクが総合2番手を獲得する上々の走り出しをみせた。
今シーズン2度目のグラベル(未舗装路)イベントとなるラリー・アルゼンティーナ。開幕のSS1は現地19時過ぎ、サービスパークが置かれるビジャ・カルロス・パス市内に設けられた1.9kmの特設ステージで行われた。
開幕前のシェイクダウンステージではエースのヤリ-マティ・ラトバラがトップタイムを記録するなど速さをみせていたトヨタ勢は、このSS1でタナクが首位と0.3秒差の総合2番手を奪取。今季初優勝へ向けて好スタートをきった。
シェイクダウン最速だったラトバラはわずかにタイムが伸びず9番手。これがラリー・アルゼンティーナ初参戦となるエサペッカ・ラッピは総合6番手を手にしている。
チーフエンジニアを務めるトム・フォウラーは「今朝のシェイクダウンはうまくいった。我々はシェイクダウンのタイムを重視し過ぎることを好まないが、それでもポジティブな要素に違いない」と述べている。
「今晩のSS1に関しては、明日以降のSSとまったく違うタイプのステージだったから、異なるセットアップで臨んだ」
「あのような距離が短いSSでは大きなタイム差がつきにくいから、ドライバーたちはただただ問題が起きないように走ったんだ。明日からの戦いに向けて準備は万端だよ」
前戦で表彰台を獲得しているタナクは「全体的なバランスの良さにとても満足しているよ。すべてが予定通りうまく機能しているから、自信を持ってラリー本番に臨むことができる」と語った。
またラトバラは「少しブレーキングが慎重すぎたのか、思っていたよりタイムが伸びなかった」とSS1の走行をふり返ったものの、「このような短いステージでは何よりもミスをしないことが重要。このラリーに対するモチベーションはとても高く、運転だけに集中している」とコメント。
ラッピは「問題が起こらないように走り続ければ、良い結果を得ることも充分可能」と好成績への期待を示している。
本格的なグラベルラリーが展開する27日(金)の競技2日目はビジャ・カルロス・パス南側に計7SSが行われる。舞台となる“カラムチータバレー”は路面が比較的柔らかく、午後の走行時には路面に深いわだちが刻まれ、午前中には隠れていた岩盤や岩が露出。これによりタイヤやサスペンションがダメージを負う可能性もある構成だ。
全7SSの合計距離は154.2km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は656.81kmとなっている。