プレミアムフライデー導入から1年以上経ったが、いまだ導入率は1割程度。当初は悲喜こもごもさまざまの声が上がっていたものの、今やその声も少ない。ネットでは「今日プレミアムフライデーなんだね…まだ世の中に存在してたのかお前って感じ」など、冷ややかな声も上がっている。
シャープのツイッター公式アカウントも4月27日、プレミアムフライデーを揶揄する投稿を行った。
「きょうはプレミアムフライデーなので、私のプレミアムなエピソードを話そうと思います」
「私は毎月、妙な使命感をもってプレミアムフライデーを『なんだかなぁ』という気持ちを込めてツイートしています。かんたんに言うと、プレミアムフライデーを揶揄しています」
「毎月イジってたら経産省からメールが来た」
プレミアムフライデーは昨年2月から実施されており、月末金曜日は午後3時をめどに退社することを推奨する経産省主導の取り組みだ。シャープ公式ツイッターはプレ金実施当初から、取組みについてやや批判的に呟いていた。
しかし数回目のプレミアムフライデーの翌日、経産省からメールが送られてきたという。「ああこれは本格的に怒られるんだな」と思ったそうだが、メールの内容は予想に反するものだった。
「『プレミアムフライデーの施策にはさまざまな意見があることは承知している。そして私自身、そんな世間の声に必死で耳を傾けている。その上で、さあもっとプレミアムフライデーをイジってほしい』という、お叱りどころか、お願いでした」
「世の中へプレミアムフライデーの普及を目指す者として、最も忌むべきは忘れられることです。好き嫌いの先にある無視が怖い。だから良くも悪くも、みんなプレミアムフライデーを語ってほしい」という趣旨のメールにハッとした中の人は、
「『自社製品の存在を知ってもらってあわよくば買ってもらう』という仕事にまがりなりにも従事する私にとって、その感覚はよくわかるものでした。むしろ共感したといってもいい」
と感情を吐露。「なので私は毎月、せっせとプレミアムフライデーを揶揄するマンになった」と、これまでブレずにプレ金を揶揄し続けてきた背景を明かしていた。
「少し無理してでも休んで、楽しいことしましょう」
とはいえ、プレミアムフライデーを導入していない企業もある。同アカウントも「そうは言ったって会社も社会も、あいかわらずままならない。私もそう思います」とした上で、
「ほんとままならない。けどできるだけ、いや少し無理してでも休んで、楽しいことしましょう。やっぱりその方がまともなはずだから。それではよいフライデーを」
と投稿した。一連の投稿に対して、最初は「ただの金曜日じゃん」「元々関係ない職業なので、意識してません」などのリプライが多かったが、最後の方には、
「くううう……沁みる」
「また一人のビジネスパーソンを救ってしまいましたな」
と好意的な反応も多数上がっていた。土日が休みではない人は「シャープさんがこの様なツイートをしてくださり嬉しく思います。プレミアムな金曜日でなく、毎日だれかがプレミアムな日だと感じれる日がくればいいなと」とツイートしていた。
アカウントは最後に「それにしてもなんで私のメールアドレスがわかったのか、そこだけがちょっと不思議」と投稿。「え…そんなオチ?」と動揺する声も出ていた。